産後検診の頃には
出血と悪露は治ってた。

子宮の戻りも良好だし、
普通の生活に戻っていい、との事。


医師『次の生理が来たら
妊活始めても構いませんよ』




…妊、活?


考えてなかった。





次の妊娠?

次の、赤ちゃん?

郁人…は?

全然考えてなかった。

しばらくは、まだ

考えたくないと言うか、

そこまで頭が追いつかないと言うか…

だけど、いつか、もし、万が一、

そうだとして…


私『あの…次の子も、その…同じ事になる確率って…』

カルテを見ながら淡々と話してた先生が
体をこちらに向けた。


医『絶対ならないとは
100%は言い切れません。
だけど、2回立て続けに
同じ無頭症になるのは、
ないと、思います。』


私『…』



医『一度無頭症を経験された方は
通常の倍の専用の
葉酸を摂取して下さい。

後は出生前検査等もあるので、
しっかり
事前に検査する事も必要です。』



わたしは、さ。




わたしは、郁人が良かったんだよ。




もし万が一、

次の命を授かれたとして。




それは郁じゃない。

その子は郁人の変わりにはならない。




ならずっと、

この子じゃない、この子じゃない、

と否定しながら生きてくの?




そんなの、さ

どっちも嬉しくないよ。

でも感情って形にないから、

そんな事しないって決めても、

隙間から溢れて

誰か傷つける。




次の妊娠なんて、

前向きに考えられる程、

まだ、

わたしの器は出来ちゃいない。





身体が綺麗に戻っても

産後1ヶ月。

まだ、こころは戻らない。