日本文化の「道(どう)」と名の付くものには

本来「着物」が欠かせません

 
私が長年携わっている日本舞踊も
大きな括りで「芸道」という
「道」が付いています

 
「道」は日本人の精神の
一番根っこの部分
核心の部分といえると思います
 
第二次世界大戦の時
美しい町並みや文化財を残す為に
京都を爆撃しなかった
アメリカ軍ですが
 
何と日本が敗戦すると
マッカーサー元帥はいの一番に
「道」と名の付く日本文化を
総て禁止したそうです
 
これって凄くないですか?
彼は日本の国の価値がどこに在り
その精神その物が宿るものを
把握していたとしか思えません
 
 

日本文化を本当に勉強したい
真髄に触れたいと思ったら
どうしても「着物」
というアイテムを無視することは
出来ないと思います
 
当然と言えば当然ですが
洋服には無い袖や裾
襟あわせ等の独特の美意識は
総ての「道」に必ず
関わりを持つのです
 

例えば「茶道」
袖の無い洋服でするのと
袖のある着物でするのとでは
動きが全く変わってきます

袖が邪魔にならないように
どのように腕を動かせ良いのか
合わさった裾を割らないように
する為にはどのように
立ち座りをしたり
歩いたりすれば良いのか
襟元や帯を美しく保つには
どのようにすれば良いのか等々 

これは着方もさることながら
「所作」と呼ばれる
立ち振る舞いを
知っているか知らないか
出来ているかいないかで
大きな差が出て来ます 





「日本舞踊」というジャンルは
江戸時代に目覚しい発展を遂げた
「歌舞伎」の中から「舞」つまり
踊りの部分だけが独立して
出来たものです
 
今でこそ舞踊家と呼ばれる
私共の祖先は
明治時代に「日本舞踊」
というジャンルが確立されるまで

その「歌舞伎」の中で踊られる
踊りの振付けや所作の指導などを
していた一介の振付け家に
過ぎなかったのです 

 
でもそのお陰で私達は大きな財産を
相続することになりました
 
なぜなら「歌舞伎」は
男性が女性を演じるという
特殊な要素を持ちます

つまり男を女に見せる為には
どうしたら「女らしく」「美しく」
見えるのか
 
長い年月をかけて研究に研究を重ね
工夫を凝らし
女が女を演じるよりもさらに女らしく
美しく見えるテクニックを
確立し今に伝えてくれたのです

以前私自身も余り意識して
いなかったのですが
お茶のお点前をしている時に
先生から
 「やっぱり踊りをやっている人は
 違うわね
 動きにキマリが有って奇麗ですね」

とお褒めの言葉を
頂いた事がありました

それから自分の動きを
意識するようになったのですが
改めて意識してみる
とその動きの基本の総ては
「日本舞踊」の動きの中に
有ったのです 

 
厳つい男性すら
たおやかな女性に見せてしまう
テクニックこそが
お伝えしたい「美しい所作」なのです

着崩れしない着物の着方は
「着付方」という意味だけでは無く
着物に合った動き=「美しい所作」
をマスターしてこそ身に付くもの 

着物の大好きな方に
お伝え出来たらなと思います
 


元タカラジェンヌ&現役日本舞踊家
日本文化の水先案内人 白鳥佑佳です

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100年先まで残したいものを発信✨
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