服薬指導のロールプレイ

 

前回・前々回に引き続き、ChatGPTさんに患者役をやってもらった服薬指導のロールプレイを公開します。

 

 実際のロールプレイの内容

 

今回も、猫が私が打ち込んだ内容で、で犬がChatGPTからの回答です。

 

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服薬指導のロールプレイをお願いします。潜在的なリスクを持つ患者で、聞き取りからリスクを回避できるようなシナリオが良いです。

了解しました。次のシナリオでは、潜在的なリスクを持つ患者に対する服薬指導を行います。

シナリオ3: 潜在的なリスクを持つ患者

背景情報

患者: 70代男性、退職後は趣味に没頭している 症状: 糖尿病と高血圧 処方内容:

  • メトホルミン(糖尿病治療薬)500mg 錠剤 1日2回
  • カルベジロール(高血圧治療薬)5mg 錠剤 1日1回
  • アムロジピン(高血圧治療薬)5mg 錠剤 1日1回

併用薬: 患者は他の薬を併用していません(お薬手帳を持参していないため確認が必要です)。

これまでの服用歴: 長期間糖尿病と高血圧の治療を受けており、この処方箋は最近のものです。

患者の様子

  • 健康に自信があり、服薬に対する潜在的なリスクをあまり意識していない
  • 薬の効果や副作用について十分な知識がない可能性がある

それでは、ロールプレイを始めましょう。

 
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(薬局に来店し、薬剤師に話しかける)こんにちは。処方された薬を受け取りに来ました。

 
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それではお薬の確認をお願いします。今日は前回と同じ内容のお薬ですね。今日は血液検査はされましたか?

いえ、今日は血液検査はしていません。普段は年に数回、主治医の指示で検査を受けていますが、今日は特に予定がありませんでした。

 
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そうなんですね。血糖値や血圧に関しては先生は今回何か言っていましたか?

いえ、特に何も言われませんでした。普段は血糖値や血圧の数値を測定して、主治医に報告していますが、今回は異常がないということで特に指示はありませんでした。

 
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ありがとうございます。具体的な数字をお伺いしてもよろしいですか?

はい、もちろんです。最近の血糖値は朝の空腹時で120mg/dL程度、食後2時間後で150mg/dL程度です。血圧は最近の数値で、収縮期が130-140mmHg、拡張期が70-80mmHg程度です。

 
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血糖値は順調ですね。目標も達成しています。 血圧は少し高めかなと感じましたが、先生はこのまま行こうかという感じですか?

はい、主治医からはこのままの薬の服用を続けるよう指示されています。血糖値は目標に達しているし、血圧も特に問題がないとのことで、現状維持が良いとの判断です。

 
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ありがとうございます。糖尿があるので、血圧はこれ以上上がらないように塩分を控えて運動を心掛けるようにしてくださいね。 ふらつきが起きたり、強い空腹感を感じることは無いですか?

はい、わかりました。塩分の摂取量には気をつけますし、適度な運動も心掛けます。ありがとうございます。特にふらつきや強い空腹感は感じていません。

 
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低血糖症状も大丈夫そうですね。薬が効きすぎるとたまにこういった症状があるので確認させていただきました。今後も注意しながら服用を続けてください。あともう1つ念のための確認なのですが、起きたときに頭痛がしたり、夜中に汗をかいて起きることもありませんか?

いえ、特に頭痛や夜中の汗は感じたことがありません。普段は比較的安定しているように感じます。

 

 
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​ありがとうございます。日中血糖値が落ち着いていても、寝ている間だけ低血糖になることもあるので、代表的な症状を確認させていただきました。 特に問題なく、順調に過ごせていますね。この調子でお薬を続けてください。

わかりました。ありがとうございます。今後も気をつけて過ごします。

 
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お大事になさってください。

 

これで3人目が終わりですが、潜在的なリスクはどこにあったか教えてください。今回の服薬指導では見抜けませんでした。

今回の患者は血糖値や血圧の数値が比較的安定しており、明確な問題がないように見えました。しかし、高齢の患者であることから、低血糖や低血圧のリスクが潜在しています。特に、夜間に低血糖や低血圧が起きることがあるかどうかは把握が難しい部分です。寝ている間に異常が起きている可能性もありますので、その点にも配慮する必要があります。今回のロールプレイではこのリスクに触れることができませんでしたが、患者の健康状態をより詳しく把握することが重要です。

 
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​夜間低血糖については確認したつもりでしたが、他にどんなことを確認すればよかったでしょうか。 日中の低血糖と低血圧については確認取れていると思います。特に血圧の数値からリスクは高くないと判断しています。

夜間の低血糖についての確認は大切ですが、さらに詳細な情報を得るためには、以下の点にも注意を払うことが重要です。

  1. 就寝前の食事内容とタイミング: 就寝前の食事内容や食事の時間が血糖値にどのように影響するかを確認します。特に、遅い時間に大量の炭水化物を摂取することがあるかどうかを尋ねると良いでしょう。

  2. 夜間の症状: 患者が夜中に頻尿や多汗、不規則な心拍数などの症状を経験しているかを確認します。これらの症状は低血糖や低血圧の可能性を示すことがあります。

  3. 日中の活動内容: 日中の活動量や食事のバランスによっても夜間の低血糖のリスクが変わります。患者が適切な食事と運動を行っているかどうかを確認します。

  4. 夜間の血糖値の測定: 必要であれば、患者に夜間の血糖値を測定するように依頼します。これによって、就寝中の血糖値の変動を把握することができます。

これらの情報を収集することで、患者の夜間の低血糖リスクをより正確に評価することができます。

 
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​ありがとうございます。ほかに不足している点や誤っていることはありましたか?

今回のシナリオでは、患者の状況に適切に対応し、潜在的なリスクについて十分な注意を払いました。特に、血糖値や血圧の数値を確認し、それに基づいて指導を行うことで、患者の健康状態を理解しようとする姿勢は良かったです。加えて、夜間の低血糖についての確認も行いました。改善点や誤りは特に見受けられませんが、より詳細な情報を得るためには、患者との対話をさらに深めることが求められます。今後も患者の健康状態を的確に把握し、適切な指導を行っていくことが重要です。

 
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今回も無事終えることができました。予め潜在的なリスクを持っている患者という設定をお願いしていたので、もっと聞き取りから見つけ出さないといけないと思っていましたが、通常業務内で確認している範囲でした。

 

前提が頭にあったため、私が行う通常の服薬指導よりは服薬指導の時間は長めになっています。特に定期薬の場合は特に質問、来局間隔や検査値などからの所見が無ければ指導のテーマを決めているので、血圧・低血糖・夜間低血糖と何度も質問を繰り返すことはあまりありません。(大体どこかで鬱陶しいと思われるので、一度聞いた質問を掘り下げはしても、仕切り直して別の質問をし直すことはめったにないです)

 

まあ、最後にアドバイスももらえましたし、今後も時間があればChatGPTさんにお手伝いしてもらおうかなと思います。

 

今更ですが、先週からX(Twitter)を始めて感じたのは、薬歴の書き方に困っている人が一定数いるなということです。次回からロールプレイ→薬歴の記載までの流れで仕上げていこうかなと思います。

 

 

 皆さんが同じようにロールプレイをするためには

 

改めてChatGPTで私の行った設定をお伝えします。アカウントを作ってログインしてから開始してください。

予め、右上のメニュー(アカウントのアイコン)から「ChatGPTをカスタマイズする」を選択し、「どのように ChatGPT に回答してほしいですか?」の部分を以下のように記載しています。

 
私自身のコメントが薬剤師として足りていないところや誤っているところ、不適切なところがあれば質問内容にかかわらずその場で指摘してほしい。
ChatGPTに患者役を演じてもらい、ロールプレイをしたい。私は薬剤役としてチャット欄に薬剤師としての発言を打ち込みます。
患者役の時は、質問をたくさんしてくれる方の役もありがたいが、会話が嫌で早く薬をもらいたいだけの人なども演じてもらいたい。
潜在的なリスクを持っている患者で、患者はそのリスクに気づいておらず、こちらからの質問によってリスクを見つけ出すような例も出したいため、例えば薬局ヒヤリ・ハット事例(https://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/)などで報告されているプレアボイドの事例などを参考に、薬剤師としてリスクを減らすことができるか試すような患者の演じ方もしてほしい。それぞれの場合でどのような患者を演じるかは特にこちらからの指示がない場合は、ランダムで良い。
ロールプレイの前は事前に処方内容・併用薬(お薬手帳を持参していなくて服薬指導前に把握できていないパターンでも可)・これまでの服用歴など(新規患者でも可)についても情報を提示してほしい
飲み忘れや薬が切れても受診できていないパターンもあるので、その場合は前回来局日と前回の処方日数をあらかじめ提示してほしい。(日が開いていることからコンプライアンスの状況を予測するため)
これまでの服薬指導で得られた情報(薬歴に記載されていると思われるもの)以外のその他背景(薬の飲み忘れがあるなどの情報)は事前に提示せずに伏せておくこと。

事前のカスタマイズさえ終わっていれば、チャット欄に「​服薬指導のロールプレイをお願いします。」と打ち込むだけで開始できます。
たまに変なことを言ってくるので、再度回答させたり、質問の仕方を変えたりはしていますので、是非色々試してみてください。

 

実はこのトレーニングをやるにあたって、患者パターンを3パターンChatGPTから提案されました。残り2つも少ししたら記事にしようと思います。

 

もし服薬指導のロールプレイをやってみたい方や、ChatGPTの使い方が分からないなど、ご不明な点があればX(Twitter)のDMか、こちらのコメントに記載いただければ回答いたします。