長時間残業やパワハラにより、最悪な結果となってしまった話を聞くと、
本当に気持ちが重くなります。
入社が決まった時は、さぞかし親御さんも喜んでいただろうし、
ご本人も将来の希望などで胸を膨らませていたと思います。
社会人になって、現実にぶち当たることは多々出てきますが、
真摯に働いていて、身の危険を感じる現実が存在することが残念でなりません。
日本は労働生産性が悪い国だと言われています。
労働生産性って、私も詳しくは知りませんでしたが、
簡単に言うと、効率よく働いているかどうかってことです。
戦後、日本は驚異的に復興を遂げました。
その時に、私達の親や祖父母世代の方々がもの凄く働いて
今の日本を造ってくれたのだと思います。
ただ、その後、働くのは凄い事なのですが、
企業って成長し続けないといけないじゃないですか。
私はいつも疑問に思っていました。
前年比と比べて、業績が上がることを目標にしていくわけですが、
ず~っと売り上げを伸ばし続けるってありえますか?
それを、無理って言ったらダメなんだって言うのは分かります。
でも、未来永劫全部の企業が成長し続けるのは、まあ無理でしょう。
売上を上げ続ける為には、単純な話ではないんですけど、分岐点があったと思うんです。
今より業績を伸ばすために、
①今より効率よく働く
②今よりももっと長い時間働く
何回も言いますが、単純な話じゃないですけど、
今より2倍業績を伸ばすなら、
2倍効率よく働くか、
2倍の時間働くか、
そういう時期があって今に至るんじゃないかなと。
だって、前々年より良くても、前年より悪ければ、株価は下がったりしますよね。
資本主義社会や、企業のしくみなどを考えると、
色々と意見もあると思いますが、
昔、野球で落合博満さんが監督の時に言っていました。
監督3年やって、
1年目→6位
2年目→3位
3年目→1位
と、
1年目→1位
2年目→3位
3年目→6位
を比べると、最後に1位になった方が、評価されるって。
それは、成長させているからって言えばそれまでですが、
私は、『本当だよな~』って妙に納得しました。
あくまで、どうやって成長し続けるかなんですよね。
これまでの日本はどうだったんですかね?
もし、効率も最大限求めてきて、それでも業績アップに足りなくなって、
働く時間も伸ばしてきたのなら、
もう、日本の企業はアップアップじゃないですか。
だって、1日は24時間しかないんですよ。
これ以上ないくらい、長く働いていますよね。
私が小さい頃は、スーパーが夜9時に開いていることはなかったですし、
お正月はお店が休みで、「つまらな~い」って思っていました。
夜、遅くまでスーパーが営業し始めたのは、
ちょうど、バブルが崩壊して景気が泥沼になってきた頃と重なる気がします。
1990年代後半に、私は大学生で、
帰省した時に実家の近くのデパートでバイトしていました。
お正月もすぐに仕事があり、駆り出されたのを覚えています。
どこよりも、早く、長くお店を開かないと競争に負けてしまう。
お客の立場から言うと、年中無休のお店も、コンビニも本当に有難い話です。
でも、そこで働いている人がいるんですもんね。
先日、私が入会している商工会議所青年部の事業で、
セルジオ越後さんの講演がありました。
その講演の中で、
日本は子供のスポーツに親がついていくけど、外国では親が休みの日にスポーツを楽しんで、そこに子供も参加する。特に、サッカーのワールドカップで優勝しているのはほとんどが、カトリックの国。(宗教の話は別としてと念を押されていました)カトリックは、必ず休日を設けているから、みんなが休んでいて、必ずその時にスポーツなどをして楽しんでいる。
というお話がありました。
私、イタリアに新婚旅行に行った時に、夕方5時に公園にお父さんがいっぱいいるのに驚きました。
日本とは考え方が違うと感じます。
でも、長く働くって一般的には凄いな~とか、真面目で偉いね~って話なので、
素晴らしいことですよね。
問題は、今の社会だと業績を上げ続けなければいけないので、
『長く働きたい』じゃなくて、
『長く働かなければいけない』ってことだと思うんです。
私の持論で、世界ふしぎ発見的な運営というものがあります。
持論ですよ。
昔から思っていました。
なんで、色んな面白い番組が、色んなことを始めて、
段々面白くなくなって、どんどん終わっちゃうんだろう?って
これも、テレビ会社の色んな戦略があると思いますが、
世界ふしぎ発見!って昔からあんまり、システムが変わらないですよね。
笑っていいともや徹子の部屋もそんなに変わりません。
まあ、全部がそういう番組じゃない方が、
テレビ会社的に良いこととか色々あるんでしょうけど、
長寿番組はシステムが変わらないから、続いている気がします。
売れる物語はワンパターンを、いかにみつけるか?
にかかっているとも聞いたことがあります。
ドラえもんやアンパンマン、ちょっと変わって水戸黄門に暴れん坊将軍。
ドラえもんで言ったら、
のび太がジャイアンにいじめられて、
ドラえも~んって泣きついて、
ドラえもんが不思議な道具で解決すると、
やり過ぎたのび太にしっぺ返しがくる。
毎回、こんな感じですよね。
こういった、長く売れているということには、
『成長し続けなければならない』という感覚が見当たらないように思います。
赤字続きじゃダメですが、
前年と比べて今年もトントンだったぞー!
と大きな声で言えれば良いなあと思います。
今の社会じゃあ、前年比トントンを目指すと、経営していけないんだと思います。
トップグループが速度を落としてくれるわけではないですから。
でも、どうにか今いる従業員の人をしっかりと養っていけて、
世の中に有益なものを生み出していけるような会社であれば、
成長し続けていなくても、そこに関係している従業員もお客様も
みんな幸せなんじゃないのかな~って思います。
昇給しなければ、やはり幸福度は下がるかもしれませんし、
これまた、今の社会では個人個人も、毎年収入が増えなくてはやっていけません。
それも踏まえた、企業の業績のラインを守っていければ、
十分、幸せなんじゃないかな~って思います。
それももちろん難しい事でしょうけどね。
1日は24時間です。
そこまで、めいいっぱい働くようになって、
今になって、パワハラだとか長時間労働だとか国は言います。
パワハラや長時間労働を強いてきた管理職の人をフォローする気は毛頭ありません。
ただ、恐らく今の管理職に当たる人達はそういう時代を生きてきている人も多くて、
そのおかげで、業績が上がってきたという経験をしてしまっているんだと思います。
その意識がある以上、
『もっと、休日を増やしなさい』
と国が言っても、企業からしてみれば、
『今まで、めいいっぱい働いてきて、どうにか生き残っているのに、休みを増やしたら、業績が下がってしまうんです!』
今の社会じゃそうなっちゃいますよね。
下手したら、〇〇主義の話になっちゃいますけど、
- 業績を上げ続けなくてはいけない社会の状態があって
- その中で、業績を上げ続けようとする会社があって
- その会社には、業績を上げるためのトップからの指示が下り
- その指示を受けた管理職が社員を動かし
- その動かされた社員が身の危険を感じる状態が存在する
今は、応急処置的に極めてその最後の部分だけを、どうにかしようとしているように思います。
どうしたら解決するっていう答えは中々みつかりませんが、
でも、とにかく真面目に働いている人が、身の危険を感じる状態は異常です。
みんなで何かに気付いて行かないといけない時期に差し掛かっているんじゃないでしょうか。
そんな私も、今は考えたら、土日祝日も電話受付をしています
でも、今後、人を増やして、みんなが理想とする働き方が出来る空間をつくっていきたいと思っています。
大分、長くなっちゃいました。
ここまでご覧くださった方、本当に有難うございます。
*************************
お困りごとはお気軽にご連絡ください。
政木 健太
※外出の際は後程お電話差し上げます。