ベンチワークとは何か?! | 花師論

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まるっきり今までの生活を捨てて、ひっそりと身を隠して起死回生をボ~っと見つめるただのおっさん。
世間では「報われない人」と笑われ、「前に出るな」と罵られながらも、いつも笑顔で暮らしている。
さてさて、この先どこまで行くのやら?

ベンチワークとは何か?!


バレーの練習終了後、保護者とそんな話しをしていた。


偶然、ベルト姿を巻いた監督が、嬉しそうに笑らう集合写真がSNSに映し出されていた。

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昨日93 文部大臣馳浩が主催する、石川県で行われた"ノーザンライト杯少年少女ドッジボール大会"の栄冠を掴んだ、千坂ドッジファイヤーズ。

どんな戦いだっかは、優勝報告だけではわからないが、集合写真の笑顔で想像すると、全員で勝ち取った勝利だったと一目でわかる。

「厳しい戦いに物語を付けて、勝ち抜きました。」と報告を受けた。

技術だけではなく、選手起用から試合前のミーティング、試合間の声掛け、そして何よりベンチワークで掴んだ優勝だったに違いない。

先日、ワールドカップ出場を決めたサッカー日本代表 ハリルホジッチ監督が「マネジメントこそ、ベンチワークである。」と提言している。

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このベンチワークとは何か?

読んで字の如く、ベンチでの仕事ととなる。

ベンチにはレギュラーで戦う選手だけでなく、控えの選手も大きな声で声援を送っている。ただ声を出すだけでなく、試合に直接関係ない仕事がそれぞれにある。その仕事を何も言わずに理解し、こなせる選手を普段の練習から育てることで、見えない力が発動される。いつメンバーチェンジの声が掛かってもいいように、常に心構えが出来ている。

改めて、今回の報告の中にある「物語を付けて」に注目する。この文字の中には、試合に出る選手だけでなく、ベンチの選手もシッカリと試合に参加しているということだ。


プロの世界に目を向けると、今は亡き仰木監督を思い出す。

普段の仰木監督は、2軍の練習によく顔を出したと言う。そこで目に入ったのが、どこにでもある名前の「鈴木一郎」。

彼の才能を前監督の土井監督から話しを聞き、自分の目で確かめ、その才能を開花させる為に、登録名を「ICHIRO」にした。

その後は皆さんもよくご存知の通りだ。

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今回の優勝に大きく活かされたこの「物語を付けて…」は、戦う選手だけでなく、厳しい戦いの中に乗り込むチームの一体感が生み出した結果である。

これは試合で行われる、重要な監督のマネジメント力の賜物であり、普段の練習の中で、シッカリとマネジメントされ、選手の体に脳に刻み込まれているか?試合中に起こる"奇跡"と呼ばれる摩訶不思議なプレイの正体は、普段の練習の延長線上でしかない。練習中で出来ない事は、試合中に出るワケがない。


普段から選手のメンタルやフィジカルを把握し、それらに合わせて練習内容を変え、試合を見据えた練習内容を繰り返し、積み重ねていたのだろう。

監督が思い描く理想の形は、選手達にキッキリと伝わっている。

その証拠にここ数週間、文字だけのやり取りだけで、監督はアドバイスをインプットし、頭の中で整理し、選手に的確にアウトプットしていた事が想像出来る。


よくある事だが、試合中に大きな声で怒鳴っている監督がいる。ひと昔の自分もそうであったが…

残念ながら選手には、その怒鳴り声を正確に聞き取り、瞬時に理解し、行動に移せる事はない。

良いも悪いも、練習で身についた事しか、試合中に発揮させる事は出来ない。

試合をするのは選手であり、選手に任せきりとなる。選手が試合の流れの中で、反映させていくには、普段の練習でしかない。常に試合をイメージした練習方法でチーム作りを進めないと、大舞台で発揮させる事はない。

今回の優勝に繋がった大きな理由は、普段の練習の中で行われた、緻密な計算から弾き出される結果である。と想像する。

指導者がお金を出してでも手に入れたいものは、「マネジメント」と「キャリア」であると思う。

こればかり一朝一夕で身につくものではない。キャリアの中で知らず知らずに身につくものでもない。

様々な分野から得た情報をまとめ、自チームに活かす為に、時間を費やし、試合に挑んでは頭を抱えて迷走する。

それらを繰り返し、投げ出さずに向き合った結果、自分の内面から湧き出て来る、自分だけの経験値となる。


マネジメントを手に入れると、もれなくベンチワークが付いて来る。


それは、指導者だけでなく、たとえ試合に出れない選手にとっても、マネジメントに付いて来るベンチワークを身につける事で、人生にとって大きなプラスになる事は言うまでもない。


クソ真面目にドッジと向き合い、取り組んだ結果、見事監督の腰に、輝かしいベルトが巻かれた。


千坂ドッジファイヤーズの皆さん、優勝おめでとうございます。