めだか屋で奮闘しまっせ(フィクションです。)

 

 

第二十四話 召田輔、空を飛ぶの巻(1)

 

 交配四代目の中から、あかねづきの特長がある丸いヒラヒラを5匹選別した召田輔(めだすけ)は、大切にそれからの繁殖を始めていた。

客足も少なく注文も減っためだかの家では、相変わらずあかねがやきもきしながらパソコンと闘っていた。

あかねは「あかねづきのヒラヒラ、発表したいわねェ。」と口癖の様に言うが、召田輔は「あかんで、いっぱい殖えたのを確認してから一気に出さんとあかんで。」と口癖の様に答える日々であった。

そして、ギリギリの生活は、秋を過ぎ、冬を越し、翌年の春を迎える頃まで続いていた。

少し水が温み始めた春先の頃、召田輔は温室の奥に並べた水槽のめだかを数匹掬い上げて「よっしゃあ。」と万歳した。カメラマンになって付いて来たあかねは「やったやん。」とはしゃぎながら、そこら中を撮りまくっていた。

こうして完成しためだかは あかねのあい と名付け、インターネットで公開するなり、たちまち広まっていったのだった。

めだかの家へは、連日、客が押しかけてきて応対に追われながらも選別を続けていたが、まだまだ、召田輔が納得できる あかねのあい は多くは無かった。

「あかん、親の数を増やして、もっとようけい作らんと売る分があらへんがな。」と思いながらも、接客との板挟みで手が回らなくなった召田輔は、角の養魚場の若者を店長代理として呼んで、めだかの家を任せる事にし、自分は あかねのあい の養殖に専念することにした。

角の養魚場メンバーからの後押しもあり、若者はめだかの家へ移る事を承諾してくれた。

召田輔に「店長、頼んまっせ。」と肩を叩かれ、若者は「何で、いきなり店長なんですか。」と言いながらもやる気を出して、接客や事務など、店での作業を召田輔から付きっ切り指導を受け、「わいは全部任せるつもりやさかい、ええと思う事はどんどんやったらええで。」と言われたとおり、若者のセンスも取り入れてめだかの家は明るいイメージに変わっていった。

一方、召田輔は「一人増えた分、わいはわいの持ち分で稼がなあかんがな。」と、めだかの家で売るめだかは仕入れで賄う事にして、温室では あかねのあい の量産に励んでいた。

隣の爺さんも若者に代わってからちょくちょく顔を出すようになり「人が代わると店も変わるもんやなあ。召田輔はんの頃は水槽覗いてもめだかが何処におんのか分からなんだよってになあ。それに比べたらえろう見易すなったで、やっぱし、センスがちゃいまんねんなあ。」と褒めまくるので、

召田輔は「わいの頃は来たってめだかを見た事おまへんでしたやろ。」と返すと、

「そんなこと無いがな、めだかが良う見えんさかい召田輔はんの顔を見に来とったんや。召田輔はんの顔の方がおもろいさかい。」

「爺はん、顔やったら爺はんもええ勝負してまっせ。」と、冗談を言い合っている二人を見て、あかねは笑いながら「仲がええことねェ。」と若者に耳打ちしていた。

若者の活躍のおかげでめだかの家は順調に経営が進み、召田輔は養殖に打ち込む事が出来て多数の あかねのあい を作る事が出来た。

話題になっていた あかねのあい は一斉に売り出されて、連日注文が入る様になり、新体制での好調な滑り出しに活気付くめだかの家だった。

(つづく)

 

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