めだか屋で奮闘しまっせ (フィクションです)

 

 

第十四話 召田輔、走り回るの巻(1) <=前編はこちらから

 

第十四話 召田輔、走り回るの巻(2)

 

 すぐさま、めだかの家へ戻ると、また温室から呼んでいる。

慌てて上がっていくと、「めだかってどうやって飼うん。」と聞いてきただけだったので、呆れながらめだかの家の方を見ると、また客が入ってきてキョロキョロしている。「今、忙しゅうおましてな。御免やっしゃ。」と降りていくと、「上の方、見して貰てええ。」と聞かれて、「どうぞどうぞ。」と一緒に上がろうとすると、別の客がめだかの家へ入ってくる。

こんな調子で、召田輔(めだすけ)は、めだかの家と温室を行ったり来たり、一人汗を流しながら走り回っていた。

昼が過ぎ、客が途切れて一息ついたかと思うと、あかねから電話が掛かってきた。

「あかねちゃん、何かいな。」と聞くと、「召田輔さん。梅漬ける壺、何処にあるか知らへん。」と聞いてきた。「そんなもん、何に使いまんねん。」と聞き返すと、「お客さんが貸して欲しいって言うて来はって、捜してんねんけど見つからへんねん。」「一番奥の下の棚に有りまっしゃろ。」「無いけど。」「そんな筈無いけどなあ。爺はん、どっか違うとこへ直したんちゃうか。爺はんに聞いてみたら。」「聞こうとしたんやけど、電話のとこまでも行かれへんて言うて、お客さんは夕方取りに来るて言うし、困ってんねん。」「しゃーないなあ、ちょっと行きまっせ。」と受話器を置いた所へ客が来てめだかを見始めた。

召田輔は「どれしまひょ。どれしまひょ。」と付いて回って急き立てたが、客は客で、あっちで眺めてはこっちでキョロキョロとのんびり構えている。付きまとう召田輔に「これ、どの親から生まれた子かいな。」などと聞いたり、「こっちにしょーかなあ、けど、これもええがな。」と技とらしく迷っている。「どれもええめだかやさかい、早よ決めとくなはれ。」と心で囁いても、「いや、迷うなあ。」と二人でうろうろ店の中をうろついていた。

そこへ、別の客がやって来て「上の温室見せてや。」と言って、さっさと階段を上がって行った。

「こりゃあかんわ。」と諦めて、あかねに断りの電話を掛けようと受話器を取った所へ、また、別の客が駆け込んで来て「ちょっと急いでまんねん。赤いめだか10匹入れてえや。」と、ハアハア息を切らせている。召田輔は「何でんねん。」と言いながら受話器を置いて、赤いめだかを10匹袋詰めして「これでよろしおますか。」と渡した。その客は「電車の時間が・・・。ああ、乗り遅れる。」と叫びながら走っていった。

召田輔は「大層なこっちゃな。」と思いながら、走っていく姿を見ていた。そこへ、温室へ上がっていった客が呼んでいる。

「わいも、大層なこっちゃがな。」と思いながら階段を駆け上がっていく召田輔だった。

(つづく)

 

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