重陽 あやかしと神様の黄泉がえり

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あやかしと神様の恋愛成就

の小説は。神様あやかし皇室テーマの重陽を最終回の舞台にした小説です。

初めて、明治神宮に家族で行って、この小説を書き始めたときに一人で明治神宮にいき、書き上げる!と、誓ってその後書き上げたあとお礼参りに行きました。

明治神宮に初めてのいったのが去年で、隣の家のおばさんが地元の明治神宮の役員やっていて、明治神宮の会員になるという縁が発生。
重陽ってことを、去年は知らなかったけれど小説を書いて知識を掴み発信して、縁をつなぐのは楽しいことだと思いました。

小説読んでもらえると嬉しいです。
とくに、【あやかしと神様の黄泉がえり】は重陽テーマです
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祈り姫☆花咲く夜の甘い月(エンド)

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 立派な祈り姫になるために、法子は衣瀬宮にて修行にはいる。

 この宮殿に戻ってきた時には、また李流に会えると信じて……

 李流はお咎めなしという事で今まで通りの内裏衛士を勤め、現代の宮廷警察もしくは、皇族付きのボディガードになるためにできる限りのことに努力する事にした。

 宮中奉仕の庭掃除をしている時に陛下にお会いする機会も増えた。

 祈りの宮と桜庭家について知ることになる。
 桜庭の宮は代々、斎宮を守るための地位にいた。
 皇女とも何度か血縁関係をもち、女の子が生まれれば親王が婿になる、祝皇家との関わりは深い家だった。

 むかし、祈り姫に懸想した桜庭の宮は駆け落ちすんでのところまでいったが、時代は武士の時代、宮は将軍へ降下される定め、その恋は実らなかったという。
 その再来とされた事件が君の曾祖母にあたる宮姫と桜庭の将軍の話だ。

 君のお祖父様は死んだことになっているが、祈り姫の子だということは宮家では周知のことだと先帝から聞いたことがある。

 その子孫である君と法子が出逢うなんて、縁とは、運命とは、不思議なものだね。

 しみじみと陛下は語られた。

「もし法子と君が両思いになり愛し合っているなら私は全力で応援するよ。」
 朗らかに優しく微笑みながらそうおっしゃる。

 とても光栄で嬉しい陛下からの応援で畏れ多い。
 そのお心に恥じないよう、どんな日々をも真摯に陛下のため国のために、日々を邁進して行こうと決意する。

「ありがとうございます。陛下。
 法子様に見合う立派な男になるよう努力致します。」

 李流は祝皇陛下に深く礼をとった。

 

 

 数年の月日が流れて、法子の成人のパーティが開かれる事になった。

 約十年の巫女としての修行は厳しかった。
 余裕がある時は侍女が献上する漫画本に夢心地になり、密かに深夜アニメを観るなど、《オタク》な祈り姫になったことは周知の秘密である。


 修行場でのささやかな息抜きを咎めることは出来なかった。

 法子は漫画に影響されて、李流に再会した時にはキスをして愛を確かめたいと心に秘めた。

 そして、正式に祈り姫としての宮中に戻ってきた時にいろいろな儀式があり、移動途中で常に付き添ってくれる白い軍服みたいな近衛の正装をし、白く輝く長いマントは西洋の騎士や王子のようだ。

 それは、芽維治(めいじ)時代から取り入れ、今にも残る伝統のファッションだ。

 法子は千年前から伝わる十二単のようなデザインの和洋折衷のドレスを着ていて、気をつけていなければつまづく。

 だから、常に近衛が付き添う。
付き添う近衛は青年で背も高い。
 一言もかわさないけれど、大切に扱う気遣いが伝わる。

 階段を降りる時は彼の手を支えに降りる。

 男の人とこうやって触れ合うことにドキドキするのと同時に、そのドキドキは違う意味のドキドキもあった。

 帽子が影になってよく顔が見えないが、もしかして、李流?
と思うと胸が高鳴る。

 よく見ると帽子のふちがそれぞれ違う。

 付き添ってくれる彼はブルー。

 それだけがこの近衛宮廷警備隊の印だ。

 最後の晩餐会、西洋人のための舞踏会の時間になり、法子はこっそり外に出た。

 外に例の白い制服を着た警備が何人かうろついているのを確認した。

 李流かもしれないと思うと、いてもたってもいられなくてドレスを膝下まで捲り中庭に出る。

 白い制服の男の人をみつけ駆け寄ろうとしたとき、酔っ払いた来客の外国人に肩をつかまれ絡まられる。

 

 そして、どこかに無理やり暗がりに引きずられる、これは危険だ!と思ったら

「ご無礼はお控えください。」

 男の太い腕をつかみ止めるのはブルーの淵の警備。

「このパーティーの主賓である祈り姫様に何かある前にあなたの命が暗闇に消えることになりますよ……」

 眼力の殺気が半端ない。
 目で殺せると思うほどの殺気に無礼を働いた外国人の客は逃げるようにパーティ会場に紛れていった。

「ありがとう。ええっと……」

 助けてくれた近衛宮廷警備隊の顔を見て息を呑む。

 ブルーの淵の帽子をとって、胸に当てる。
 そして、法子の前に深く会釈をして顔を見せる。
 ずいぶん男らしくなった李流がいた。

「相変わらずお転婆ですね法子様……っ!」

 苦笑して笑う李流の胸にドンと衝撃が走る。

 突然、法子は李流の胸に抱きつく。
 頭が鳩尾に当たったのだ。

「逢いたかった!逢いたかった!逢いたかった!」

「法子様……私もです。」

 法子の事は時たま皇室専門チャンネルで知っていたけれど実際に会うのは違う。

 別れた時の抱きしめ方も抱きしめられ方も違う。

 あの時と同じく私を包む腕どけど、力強さ頼もしさが違う。

 ドキドキが止まらない。

 しかも、最後に別れた時と同じく輝く満月、李流の顔を見たくて見上げる。

 互いの瞳は月星の輝きが宿ったように美しい。

 顔が近づいてくる。

 初めてのキス生涯一人だけ。
 許されるのは李流だけ。

 ドキドキしながら待っていると、おでこに軽くキスされた。

「は?」

 改めて顔を見ると赤らめた顔を隠すように口元を抑え動揺し一歩下がった李流がいる。

 萌えるほど、可愛いけど、なんか腑に落ちない。

「こういう時って、唇にキスじゃない?」

 目を見開いた李流は私の肩をガシッとつかむと、

「我国の唯一無二の祈り姫様にそこまで不謹慎な真似はできません!お、おでこにキスだけでも勇気が……」

 はぁあああっ!とため息みたいなうめき声を上げしゃがみこむ李流。

 罪悪感と喜びでどういう表情したらいいのかわからない李流に呆然と見る。

 幼いあの時の李流の方が大たんだったかも……

「あまりにも皇室を敬愛しすぎて、法子さまを愛する自分が罪なのです」

 かなりの重症度が上がってる。

「李流……私を今だけは法子としてみてほしいぞ?」

わざと昔の言葉遣いをしてみる。

「萌えますね」

 なんだそりゃ。
 ぷっ、二人揃って笑い合う。

 離れていた月日なんて関係ない。
 昨日分かれたように、違和感のなさ。
 気負うことのない心地良い関係のことか。

 でも、あの頃、離れていた頃の愛しさや思いが溢れている。

 この思いをどうにかしたくて、庭のベンチに腰掛けて空を見上げる李流の頬にキスをしてやった。

 口づけを狙ったけれど躊躇した。
 李流からして欲しいという願望もあった。

 でも、頬でも初キスして恥ずかしくなる。
 恥ずかしくて顔を背けてみたけど、李流の反応も見たい。
 横目で李流をちらっと見ると。

「ほ、法子さま……」

 顔を真っ赤にして、そのままに李流は気絶した。

「ちょっと、李流!なんで気絶すんの!?起きてよ、起きてってば!」

 何しても起きやしない。
 それでも、近衛宮廷警備隊かっ!

 そろそろ宴に戻らないとやばいかも。
 でも、李流をこのままに出来ない。

 祈り姫はただ単に祈りの祝詞や神道の勉強ばかりではない。
 体力古武術も一応習った。
 古武術の技さえ使えば!

「よっこいしょっ!」


「遅れて申し訳ございません!」

 法子が現れた姿を見て陛下も皇后様も父母みんな目を疑った。

 その気絶した李流を抱え引きずりパーティ会場入りした私たちが世間の話題になったことは言うまでもない。

 その後、李流は自己反省のために自宅謹慎で、籠ってしまった。

 その間マスゴミが法子と李流の恋愛話で花開き、もとからの保守の国民からは呆れられた事件になってしまったが、
 少なからずそのおかしな行動と恋物語に皇室に興味をわき尊敬する国民が増えたことは間違いなかった。


「私はもう失格ですね、何もかも……」

 謹慎が解けて復帰しても、落ち込み度は酷かった。
 二人の思い出の塀の外で2人だけの反省会をした。

「何言ってんのよ、あの事件のおかげで世間からも認められたんだし結果良ければすべて良しよ!」
「けれど、近衛宮廷警備隊として良いところをおみせできなかった……」

「見せてもらったわ。かっこよかった。でも私のキスの一つで倒れちゃうのはいただけないわね」
その言葉に落ち込む。

 だからこれからは、
「私が修行をつけてあげる」

 法子は李流の頬にキスをしようとしたら、すっと避けられた。

「や、やめてくたさい。祈り姫様に、そんなっもったいないっ」

 李流は少女みたいに顔を真っ赤にして動揺する。
 可愛くて面白くてからかいたい!
 イタズラ心を刺激されるではないか!

「もう、だったら李流からしてよ、それなら気絶しないでしょ?」

「……」

 ほらほらっと顔を近づける。

「法子さま、祈り姫としてそれはどうかとおもいますよ、こんな俺の口づけで祈り姫が穢れたら国家の一大事です……」

「おでこにキスしたくせに」
「……」

 むうっと膨れっらになる法子が可愛いと思ってしまい、不意に、
李流は法子のおでこにキスをした。

 法子は一瞬のことでキスをされたと気づいたら戸惑うどころか、怒り出す。

「不意打ちは卑怯よっ」
「おでこは許容範囲です」
「……じゃあもう一回して」

 上目遣いでいわれて、
 キスをせざるえなかった。

「もう一回…」
「はい……」

 ぎゅっと法子は李流を抱きしめる。

「国民のために義務感で祈るんじゃなくて、幸せを分けてあげたいという愛の気持ちが祈り姫の祈りを強くするの……私と一緒にいて幸せなら私にも幸せを示して欲しいの……」

 李流も幸せだ。
 幸せを自分のものだけではなくみんなに分けてあげたいくらい幸せを実感してる。
 ならば李流に出来ることはせめて……

「仰せのままに」

 せがまれる度におでこにキスをする。
 優しく抱擁する。

 流石におでこにキス以上は恐れ多いし、祈り姫を汚すことになると思いは心得てる。

 だから、幼い恋のままでもいい。
 幼い子供の純粋な行為のみにとどめる。

 出会ったあの頃と全く変わらない優しさや、抱擁以上な事は絶対にしない安心感が法子にとってもここちよかった。

 けれど、いつまでも子供扱いは不服だ。
 でも……
 まぁ、今のところはこれで許してあげる。

 いつかきっと誓いのキスを貰うんだからね。

 新たな目標を胸に祈り姫は愛しい李流との幸せを国民にも分けたい、同じ幸せが続くことを今日も祈る。

 

おわり。

 

祈り姫17☆開花するまで

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「もう、会えなくなるのだな……」

 法子は李流との時間を少しでも欲しくて門までついてきた。
 せめて、手だけでも握っていたくて手を繋いで歩いた。

 寂しさのせいで言葉少なめだったのもあるけれど、それは、色々言いたいことがあるせいで言葉を選ぶことが出来なかった。


 李流も、同じだったが、実は法子の事よりも陛下との時間に夢心地だったりする。

 寂しがる法子に李流は膝を付き視線を合わせて手を恐れ多くも両手を握る。

「会いに行きます。何年経っても。必ず」
「約束だぞ……」
「はい。俺は陛下や法子様のそばでお守りする仕事につきたいという志があります。
 今日はさらにその思いが強くなりました。
 だから、法子さまも立派な祈り姫になられてください。」

 李流は、はっきりと決意口に出した。
 そんな自信あり気な李流に法子は首をかしげて

「そうしたらまた会える?」
「ええ、運命が導いてくれます」

 法子は少し考えてから目を輝かせて

「私と李流は運命の相手なのだ。だから、また会える!絶対に!」

 李流の言霊を真実にしたくて、さっきより大きな声でワクワクした感じで言い切ったけれども、何故か涙が溢れてきて、拭うよりも李流を見ていたかった。
 その涙を李流は優しく拭いてくれた。

「初めての出会いの時も拭いてくれたな……私は泣き虫だ」
 無理に笑う法子の感傷が李流の心にも重なる。
 李流も一筋涙が流れたのに気づき、けれど拭かずに李流も微笑む。

「俺も泣き虫です。法子様と同じなのです。
 今度会うときは笑顔で逢いましょう」

「うん、さ、最後に抱きしめてもいいか?いつもの塀から抱きとめてくれたように」

 いちおう、警備がいる手前、恥ずかしいし、警備に目で確認をとると、小さく頷き了承してくれた。

 ふたりは優しく包容した。
 互いの方に顔を埋める。

「李流、私のこと忘れないでね……」
「ええ、忘れません。絶対に……」

 最後まで名残惜しそうに法子は李流の後ろ姿を見送った。

 晴天の太陽がまぶしい……


「そういえば、朝にあったのって今日が初めてじゃったなぁ……」

 李流が見えなくなった道を見つめながら法子はは大きなため息を吐いた。

 しばらく会えない
 けれどまた会える……

 寂しさと期待。

 李流の事をもっと知りたかった。
 なにも李流の事をくわしく知らなかった……

 でも、私が知ってる過ごした日々の李流を絶対に忘れない。
 それが私にとっての李流だから……

 今度巡り会えた時はいろいろ李流の事を教えてもらおう。
 楽しみにしようと心に希望をもった。


 雲一つ無い清々しい青空を見上げる。

 日はまためぐる月もめぐる。
 太陽は日々の輝きを月は未来への道しるべ

 幾度もの季節を巡ればまた会えるのは確実、それまでに私は立派な祈り姫になって李流との約束を果たそう!

「まってるのじゃぞぉー!きっと祈り姫になって美人になって李流を驚かせてやるんじゃからなー!」

 その大声が李流の耳に届き、李流は苦笑する。

「ええ、必ず……私も約束を果たすため、あなた様を守れる男になってお会いしましょう」

 大声で返すのは恥ずかしく決意をつぶやく。

 

 春はまだ少し遠いが淡い恋の花の蕾が色つき始めた。