アメリカのLNGの輸出
日本の貿易収支の赤字が続いています。
日本の輸出が、欧州債務危機の影響で伸びないという要因もありますが、電力供給を火力発電に頼る中、発電のためのエネルギー輸入の増加が、赤字の圧力になっています。
そんな中、日本が輸入している発電用のエネルギーが高いのではないかという声が上がっています。アメリカでは、「シェールガス革命」が起こり、実際に、アメリカのLNGの価格が下がっており、そういった声を大きくしています。
また、アメリカでは、「天然ガスの供給過剰で価格が下がり過ぎ、供給先を拡大しなければ、採算が合わないので、輸出を拡大すべき。」との要求が、超党派の国会議員から出ています。
日本としては、アメリカからの安いLNGの輸入ができれば、電気料金上昇をある程度抑えることができ、貿易赤字を減らすことができます。
既に、過日の野田佳彦総理大臣とオバマ大統領との会談で、輸出の許認可を求めています。
しかしながら、これまで許認可が出たのはルイジアナ州からの1件のみ。
アメリカは、大統領選挙を控え、輸出拡大によって、LNG価格が上昇することが、産業界そして、雇用に悪影響を与えるのではないかと懸念しているようです。
アメリカからの安価なLNG輸入は、大統領選挙後でないと大きく進むことはないし、大統領選挙後も、必ずしも、アメリカがLNGの輸出拡大に踏み切るかどうかは不透明です。
「シェールガス革命」に期待し、日本が安価なLNG獲得のために積極的に動くべきと思いますが、過度な期待は持つべきでないと思います。
資源獲得競争は、国益のぶつかり合いです。
“資源”の側面だけでなく、多面的に、重層的に、粘り強く、競争に勝ち抜いていきたい。
“毎日が行革!”
花咲宏基