こんにちは。

介護のお仕事お疲れ様ですm(__)m




どんな4月をお過ごしですか?

福岡市内の桜は、葉桜に変わりつつあります🌸


前回の記事で新人時代を思い出してみたら、もうお一人、とても印象に残っている方のことを思い出しました。


Bさん(男性)は、当時たしか90歳代。

奥様を亡くされた後、10年程の独居生活を経て施設へご入居なさいました。


はじめの数ヶ月ほどは、落ち着いて生活をされているように感じていたのですが、ある頃から奥様を探して回られるようになりました。

「家内が待っているだろうから、ここから出してくれ」

Bさんの不安を取り除くことができないまま数日が過ぎ、ついには食事にさえ手を付けなくなってしまわれたのです。


ぼくは他のスタッフに相談を持ちかけました。

「奥様と過ごした自宅、悠々自適な独居生活を送ってこられた一軒家に、遊びに行ってみようか?」


スタッフの意見は分かれました・・・

「それはBさんも喜ばれるかもね❗」

「だけど奥様が亡くなった事実を突き付けることになるかも・・・」

「それに、施設にはもう戻らん❗って言われたらどうする?」


様々な意見があるなか、ぼく自身は

「家に帰りたいとおっしゃっているんだから、その願いを少しでも叶えたい。
施設に戻らないって言われたら、Bさんのおうちに泊まって夜勤すればいいや❗」と決心・・・


離れて住む娘さんに了承を得て、ぼくたちはBさんの暮らしておられたおうちにお邪魔することとなりました。



・・・当日、お気に入りの一人掛けソファに座り、テレビを見るBさんは、いつもと少し違う表情にみえました。

ノンアルコールビールで乾杯すると、「今日は我が家においでいただきありがとう。」と挨拶をされるBさん。驚くぼくたち。

「あんなに食事はいらないって言ってたのに、パクパク食べてる❗💦」


奥様の仏壇と遺影に向けて、「久し振りじゃね」と声をかけ、お線香もあげられました。


そろそろ戻りますかー❗との呼び掛けに、あっさり車に乗り込むBさん。








住み慣れた場所の持つ力って、こんなに凄いんだな~!と実感できた、とても貴重な経験でした。




認知症による混乱と不安の中におられる方に対して、ぼくたちが出来ることって何だろう?


そんな問いかけの重要性をBさんに教わったような気がします。











あなたの心に残るエピソードもいつか聴かせて下さいね(^^)





矢野慎太郎