今日は旧暦七夕なので2回アップ✨
妄想、BL(O×N)のお話です。BLの意味が分かる方、妄想とご理解いただける方のみお進みください。
《side O》
「俺、和のこと忘れたくないです。今日のことは誰にも絶対言いませんからせめて記憶はこのままにしてください」
もう二度と逢えないのならせめて思い出として残しておきたい。
がばっと土下座して頼む。
「和さまの下界の記憶は天の羽衣を羽織ったらなくなるんだぞ?
そなたのことも忘れるのだから、そなたも忘れた方が幸せではないか?」
「いえ、和から俺の記憶がなくなったとしても・・・俺は和のことを忘れたくはないです」
天の羽衣の話も伝説として知ってはいた。
しばらくの間、男と暮らしていた天人だけど天の羽衣を見つけ、それを羽織った途端に男のことは綺麗さっぱり頭からなくなって一度も振り返ることなく天界に帰った、って話が残ってる。
きっと和も羽衣を羽織ったら今日体を重ねたことも全て忘れるんだろう。
でも俺は。
忘れたくない。絶対に。
伝説が残ってるってことは昔の人だって記憶を消されなかったわけだし。
必死に頼み込むと、
「そこまで言うなら仕方ない。ただ、今日のことは絶対口外するな。
誰かに話したら命はないと思え」
記憶をなくすことは見逃してもらえた。
その後、潤さまが和にふわっと天の羽衣をかけると途端に俺を切ない目で見ていた和から急に表情がなくなり、ちらっとも俺の方を見ずに光と共に天へ昇っていった。
それからずっと、俺は和の記憶を心の拠り所にして毎日を過ごしていた。
そして1年後の七夕。
もう和と出逢ってから1年が経つのか、今日は和との思い出に浸る日にしよう、とあの湖に向かっていると、湖の手前で脇の茂みから突然潤さまが姿を現した。
「しばらくぶりだな。
和さまのことは・・・まだ覚えているか?」
1年前と変わらない強い目力に、今回は後ろめたいことは何もしてないのにたじたじとなる。
それでも和への気持ちだけはなくなったと思われたくない。
「当たり前でしょう。今日だって和との思い出に浸るために湖に向かっていたんです」
しっかりと彼の目を見て告げると、
「和さまが・・・こちらに来ている」
とやや言いづらそうに教えてくれた。
天の羽衣によって、俺のこと、というか下界にいたことは全て忘れたはずなのに、度々下界に興味のあるようなことを漏らし、そして七夕の今日。
ついに「下界に降りる」と飛び出してきたそうだ。
和が向かったのは俺と出逢った湖。
「そなたのことは覚えていないのに・・・。
ただ・・・もしかしたら和さまの想いが強く、天の羽衣でも全ては消せなかったのかもしれぬ。
人間などと馴れ合うのは許されぬことだが、和さまの気持ちを優先したい・・・1年に1度くらいは大目に見よう」
ただし日没までには必ず帰すように、と念を押され和がいるという湖に向かった。
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