妄想、BL(O×N)のお話です。BLの意味が分かる方、妄想とご理解いただける方のみお進みください。












《side  O》

あまり羞恥心がないのか、彼は何ら隠しもせず目の前で衣を纏っていく。
相当上質なものなのか、見たことがない素材だ。
白っぽい布で、木漏れ日にキラキラと輝き金色にも見え、ひらひらと綿雲のように風に踊る。

もしかして地主の息子さんだろうか。
子供がいるという話は聞いたことがなかったが。
しかしこんな道のないようなところ・・・熊でも出たら大変なのに下男も猟師も連れず1人で来るなんてよく許されたな。

「あの、お送りしましょうか?」

銃は持っていないけれど喋りながら歩けば多少は熊避けになるだろうかと申し出てみる。

「いい。呼べば迎えは天から来る」

「・・・はぁ」

何言ってんのか全然分かんないけど、お偉いさんには楯突かない方がいい。

「そなたはこの辺に住んでるのか?」

「はい、この下の村に」

「家に案内してくれないか?人間の暮らしを見てみたい」

・・・ちょっと気が触れてるんだろうか。
普通、家柄が良くなるほどこういう子供が産まれたら閉じ込められたりして家から出されないことがほとんどだけど。
それとも今まで村で見たことがないということは抜け出してきたとか?

どうしようかと思っていると彼の一言に度肝を抜かれた。

「我はな、天人だ」

天人って・・・天人?

確かにこの辺には天人伝説がある。
その昔、天人が水浴びに降りてきたところ、その姿を覗き見した男が美しさに惹かれて羽衣を隠した。
帰れなくなった天人は男と暮らすが、ある日羽衣を見つけて天に戻った、っていう話。

嘘かほんとか分からないけど、こことは別の湖のほとりにかの天人が水浴びの際羽衣をかけたとされる「羽衣の杉」って木もある。

いやだけど・・・嘘だろ・・・?

「信じられぬか?これでどうだ?」

ぽかんと間抜けな顔で彼を見つめるままの俺の肩にふわりと彼が飛び乗ってきた。
肩に足が乗ってる感触はあるのに、重さを全く感じない。

本当に・・・天人なんだ・・・。

「そなた、名は何という?」

まだ頭が追いつかずぼーっとしている俺の肩からふわりと降りて顔を覗きこんでくる。
身長が同じくらいなのに上目遣いになるのが可愛い。
そんなことを思ってしまい、天人にこんなことを思うのは無礼だろうかと考える。

「おい?聞こえてるか?」

ぺちぺち軽く頬をはたかれ、ハッと我に返った。

「あ・・・さ、智と申します」

「我は和だ。よろしくな、智」

にこりと微笑んだその顔にまた見惚れた。

ほんとは天女伝説なんですよね(^◇^;)
でも女じゃないので、無理矢理天人に💦
にのちゃんのアンケート、何書こうか迷いますねー😊

ファンミいいなぁ・・・せめて配信されないかしら☺️