1つ前のお話はこちらです😊


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妄想、BL(O×N)のお話です。BLの意味が分かる方、妄想とご理解いただける方のみお進みください。







智11

そんなに・・・涙が出るほど二宮さんの心に響いたのか、と体が震える。

二宮さんのすべすべのほっぺたを転がり落ちる涙はころころと小さな鈴の音を響かせ、オパールのようにいろんな色に煌めいて・・・

綺麗だ・・・。

思わずその涙に唇を寄せようとし・・・
ゴシゴシと二宮さんがほっぺたを擦って、はっと我に返った。

今、俺は何を・・・。

その涙を口に含みたい、だなんて思ってしまった自分に驚く。
他の人には全く興味が持てなかったのに。
二宮さんは何かが違う。

なんだろう、声が心地良いから?話が合うから?
だけど、それが分かる前に二宮さんは「用事を思い出した」って慌てて帰ってしまった。

本当に用事だろうか。
まさか俺が唇を寄せようとしたことに気が付いたとか。
邪な気持ちはなかったけれど、ただのチェロの先生にそんなことされそうになったら確かに気持ち悪いよな。
異性でもセクハラと捉えられてもおかしくないのに、俺は男だから余計に嫌な気分になったかもしれない。

もしかしたら次のレッスンから来なくなるかもしれない、と心配していたけど、レッスンには普通に来てくれて安心した。

ただ、二宮さんが俺の指導をどう思ってたか急に心配になり、今までの距離感も近すぎただろうか、とか余計なことを考えてしまって今までのように手を添えて教えるとかは出来ず、ちょっと離れたところから口頭で指示をすることにした。
そうすると俺が説明下手なせいもあって「こう弾いたらいい」とか「手をこういう風に」とかがなかなか伝わらない。

それに二宮さんもなかなか目を合わせてくれないし、レッスンも二宮さんとの距離もなんだかギクシャクしてしまった。

どうしたら前みたいにまた楽しく過ごせるだろう。

いろいろ考えて、音楽をきっかけに始まった関係だから音楽で元通りになるかもしれない、とコンサートに誘ってみることにした。
ちょうど、二宮さんが好きなゲームの1つだというファイナルファンタジーのコンサートが開かれる。

俺が辞めることになったオーケストラだからやや気は進まないけれど、この際そんなことも言っていられない。

俺と2人きりでの外出なんてもう行ってくれないかも、と思ったけど二宮さんは嬉しそうな顔をしてくれて、もしかしたらそんなに距離を取ろうとは思われてないのかな?あの時は本当に用事があったのかも、なんてちょっと気持ちが軽くなった。


次はあややん💛