妄想、BL(S×N)のお話です。BLの意味が分かる方、妄想とご理解いただける方のみお進みください。











《side  N》

翔さんの教え方はすごく分かりやすくて発音も綺麗だから、すぐに日常会話程度なら困らないくらいに上達した。

それのご褒美なのか、僕が友達いないって言ったから同情なのか、ある日翔さんが映画館に誘ってくれた。
同情かもしれないけど、僕が勝手にデートって思ってもいいよね。
思うだけなら自由だもんね。

いつも翔さんと会う日は潤さんに服を選んでもらってるから、映画に行く日の朝も選んでもらって、「早すぎるよ」と笑われながらだいぶ早く家を出た。

待ち合わせ場所に着いても当然まだ翔さんは来てない。
いろんな人をぼーっと観察しながら翔さんを待っていると、
「ねぇ、君、1人?」
と男性2人組から声をかけられた。

「いえ、人を待っているので・・・」

「彼女待たせる男なんか放っといて、俺たちと遊ばない?」

「いやあの、僕、男です」

「あ、そうなの?
まぁ可愛ければどっちでもいいや。ね、行こ?」

手首を掴まれそうになった時、翔さんが来て助けてくれた。
僕なんか全然可愛くないけど、人間の中には誰でもいいって人もいるのかも。
気を付けなきゃ。

ちょっと怖かったけど、その後翔さんがずっと手を繋いでくれて、絡まれて良かったかも、なんて思ってしまった。

映画館では後ろの方のソファみたいな広い席を予約してくれていた。カップルシートって言うらしい。
カップル・・・///

けっこうゆったりした席だからはじめは離れて座ってたんたけど、途中体勢を変えた翔さんがこっちに寄ってきて、腕がぴったりくっついた。

うわ。
翔さんとはもっとすごいことやってきてるんだけど、今は腕がくっつくだけでも心臓がバクバクする。

触れたところから翔さんの体温が伝わって、僕のドキドキが伝わっちゃわないか心配で動けなくて、ポップコーンは食べれないし映画にも全然集中出来ず内容が頭に入ってこなかった。

帰ってから潤さんにどんな映画だったか聞かれたらどうしよう。
何も説明出来ないと絶対何があったか聞かれるし、からかわれる。
あとであらすじを検索しよう。