妄想、BL(A×N)のお話です。BLの意味が分かる方、妄想とご理解いただける方のみお進みください。











《side  N》

「起きて!」
とまーくんの声がして体を揺さぶられ、はっと目を開けると神の国への入り口近くの茂みだった。
少し離れたところには入り口を示す2本の木の柱。
でも今は何の変哲もないただの柱に見えて、来た時のような不思議な感覚はしない。

きっと今あの間を通っても神の国には行けないんだろうな。
もしかしたら七瀬さんが道を開いてくれたのかも。

まーくんに今までのことを話しながら宿へと戻る。
宿はとりあえず2泊の予約をして、場合によってもう何泊かするかも、とは言ってたもののあんまり何日も連絡がないのは、と心配だったけど、戻ってきたのは俺が山に出発した次の日の夕方だったから1日ちょっとしか経っていなかった。
感覚的には何日も経ってる感覚だったんだけど。
やっぱり時空が歪んでるんだな。

宿で明日お暇することを伝え、みんなにも「まーくん取り戻しました」とメッセージを入れる。
お風呂に入って夕飯をいただいたらもう限界で、たぶんみんなからの返信だろう、スマホがぴこぴこ鳴ってたけどあっという間に眠りに落ちた。

翌日、再び6時間半をかけて帰ると大野さん達が3人揃ってお出迎えしてくれて、俺たちが猟師の長尾さんや七瀬さんにお礼を言いに行ってる間に夕飯の準備をしてくれた。
神の国に入るための準備とか神の国がどんなところだったかとかそんなことを肴にみんなでわいわい夕飯を食べて、無事戻ってこれたことを喜びあって、みんなは「また3日後、宿を再開するのに合わせて来るね」と帰っていった。

ほんとはもう少しお休みしたかったけど、ここ数日臨時休業にした時に予約を入れていたお客さんには急なキャンセルだったからなるべく早く迎えたくて、まーくんと話して3日後から再開することにした。

そのための準備もいろいろあるけど、とりあえず明日と明後日ですることにして早々にまーくんとベッドに潜り込んだ。


明日、最終話です。