妄想、BL(A×N)のお話です。BLの意味が分かる方、妄想とご理解いただける方のみお進みください。
《side N》
そうだよ、俺とまーくんの年月、舐めんなよ!
両手でパチンとほっぺたを叩いて気合いを入れる。
手に触れたハチマキの端を手に取ると施された3人の名前の刺繍が目に入ってきた。
それに、俺は1人じゃない。
改めて周りを見渡していくと、草の上で何かが光った気がした。
近付いて見てみると、テントウムシがちょこんと止まっていた。
黒い光沢のある羽に黄緑色の斑紋が美しい。
まーくんだ、と直感的に思った。
「七瀬さん!たぶんこのテントウムシがまーくん!」
「そうしたらそのテントウムシを手の中に隠して帰りましょう」
もしまーくんじゃなかったらどうしよう、って全然思わなかったといえば嘘になるけど、自分の直感を信じるしかない。
それに、虫が大嫌いで普段だったらテントウムシを触るなんて絶対ありえない!と思う俺が、そのテントウムシだけは全然嫌じゃなくて綺麗だと思えるんだもん。
きっと大丈夫。
テントウムシに手を差し出すと人差し指の方からよじよじ掌に移動してきたから、潰さないように軽く拳にして包み込み、行きと同じように紙人形の指示に従って歩き出した。
しばらく進むと前方になんか黒いものが見えてきた。
近付いてみると、まるで壁が1枚あるみたいに桃園が急に途切れ、そこから先が闇に覆われている。
土も草もなく、空ですらこっちは青空なのに線で引かれたようにそこから先は真っ暗。
「この先は神の国と人の国の狭間です。一歩、ここからその暗闇に出たら、お気に入りが外に出たことに気付いた神がすぐに追いかけてくるでしょう。
かなり先に駅があるのですが、あなたは神に追いつかれる前にそこから電車に乗らなければなりません」
「はい。・・・って、えぇぇ?!電車?!
今、電車って言いました?!
電車なんかあるんですか?!」
神妙に説明を聞いてたら場違いなワードが飛び出して思わず声が出そうになってしまった。
あっぶね。
事前にもっといろいろ教えておいてもらえばよかったな。
ポートレートの撮影風景、めちゃカッコいいですね✨
みんな大人の男の色気が半端ない・・・(*´∀`*)