妄想、BL(O×N)のお話です。BLの意味が分かる方、妄想とご理解いただける方のみお進みください。






《side  N》

僕たちが泊まっているホテルにはプールがあって、夜もカラフルな照明がつけられて1日中楽しめるようになっている。
せっかく海パンを買ったのだから、と夕飯後智ナイトプールに行ってみた。
智恵さんとうちの親父も一緒。
親父なんか年甲斐もなくビーチボールまで持ってきてる・・・。

他の国からの旅行者もそこそこいて、男性はみんながっしりした体だし女性はグラマラス。
智も引き締まった体だし・・・。
自分の生っ白くて貧相な体が急に恥ずかしくなってパーカーを脱げず、

「僕、ちょっと写真撮ったりしてるから泳いできなよ」

とプールサイドから見える夜の海などを撮るフリをする。
ちょっと苦しい言い訳かな、と思ったけど智は案外
「あ、そう?じゃ行ってくるわ」
とあっさり泳ぎに行ってしまった。

・・・そんなあっさりしなくても・・・。
僕の気持ち察してもうちょっとしつこく誘えよ、と再びもやもやする。

そんな気持ちを持て余しながらぼーっと智恵さんや親父と遊んでる智を眺めてると、グラマラスなお姉さん2人が寄っていって何事か話してる。

何?なんか距離近くない?

今にも抱きつきそうな距離にイライラして、智は僕のだって示そうとそっちに行こうとした時お姉さん達が交代で智の頬にチュッとキスをして手を振り去っていった。
呆然と見ているとそんな僕に気付いた智が寄ってくる。

「・・・何話してたの?」

「ん?あんま英語分かんねぇけど、一緒に遊ぼう、みたいな?ナンパって初めてされた笑
お前がいるからさ、ウィズ ボーイフレンド!ってずっと言ってたら諦めたみたい」

いつも口数少ない智が珍しく饒舌になって、そんな嬉しかったのかよ、とさらにイライラする。
つかボーイフレンドって友達じゃん。
僕、恋人だし。
いや、分かってるんだよ。智がそんなつもりで言ったんじゃないって。
昨日一緒に寝れなかったくらいで拗ねちゃう小さい自分が嫌で。

「・・・僕、先に部屋戻るね」

これ以上智といると思ってもいないことをぶつけそうで、僕は無理矢理笑顔を作って先に部屋に戻ってシャワーを浴び、ベッドに潜り込んだ。