妄想、BL(O×N)のお話です。BLの意味が分かる方、妄想とご理解いただける方のみお進みください。
《side N》
第一ターミナル北ウイング、ガルーダ航空の窓口前。
僕たちもけっこう早く着いたと思うけど、智とご家族ももう着いていた。
「すみませんねぇ、お待たせして」
「いいえぇ、うちが早く来すぎただけで。
結局まだ開いてないんですけどね」
「あら、うちの和美も!似てるわぁー」
早速母親同士で盛り上がってる。
ちなみに和美は僕の姉、智恵さんは智のお姉さん。
今回はお互いの両親と合わせて総勢8人の大旅行だ。
「智。スーツケースありがと」
「いや、荷物少ないから軽いし全然大丈夫」
どうせ同じ部屋だから、とスーツケースは智と2人で1つにして智が空港まで持ってきてくれた。
たぶん海外で3泊だと1人で使う大きさのスーツケースなんだろうけど、僕も智も最小限の荷物しか持たないからスーツケースはスカスカ。
お土産たくさん買えるね、って笑った。
ガイドさんと合流し、荷物を預けてから出国手続きの説明を受け、「では10時半には出国手続きをして搭乗ゲートの前にいてください」と言われて空港内に散る。
みんな海外は初めてだから万が一(ロストバゲージとかさ、英語が堪能じゃないと対応難しいよね)を考えてツアーに申し込んだんだけど、オフシーズンだからか僕たち家族の貸切状態でラッキーだった。
姉は早速出国手続きをして智恵さんとブランドショップを見に行ってしまい、両親は智のご両親と「お茶してくるー」と連れ立って行ってしまったので、智と2人で空港内をぶらつく。
もしかしたら気を遣ってくれたのかな。
「朝ごはん食べた?」
「いや、なんかすげー早く出発させられてさ。食えなかった」
僕も智もあまりブランドには興味がないし、僕も朝ごはん食べてなかったから海外行く前になんか日本ぽいもの食べておこう!とレストランを見て回る。
「どうしよ、天ぷら?」
「天ぷらって気分でもないよなー・・・」
「そうだよね・・・」
日本ぽいもの、って言ってたのにあーだこーだ決まらず結局カフェでパンとコーヒーを買っていて「習慣てすごいね」って笑いながら2人で食べ、混む前に、と早めに出国手続きをしてそんなに興味はないもののブランドショップを眺めて「普通のTシャツに見えるのに3万?!」とかきゃっきゃしながら出発までの時間を過ごした。