妄想、BL(O×N)のお話です。BLの意味が分かる方、妄想とご理解いただける方のみお進みください。
《side N》
「よし、指輪交換の次はファーストバイトだな」
智はさっきのケーキを一口フォークで掬い、「あーん」て僕の口元に持ってくる。
食べさせてもらうなんて今までなかったから、なんか恥ずかしい・・・。
智の顔を直視出来なくて少し目を伏せて男らしい喉仏を見ながら口を開けてケーキを入れてもらう。
生クリームが甘すぎず、いちごの甘酸っぱさとマッチしてすごく美味しいケーキ。
「俺にも食わせて」
こういうのってやっぱり一口に入らないくらい掬うのが定番だよね、って智から受け取ったフォークを置き、新しくもっと大きなスプーンを持ってきて思いきり掬った。
「お前・・・そりゃでかすぎねぇ?
・・・よし」
智は口の体操してから一生懸命大口開けて食べたけど、やっぱり入り切らなくて笑
口の周りがクリームだらけ。
可愛くて愛しくて口の周りのクリームを指で掬って舐めてあげるとさっと智の目が雄の目に変わる。
そのままダイニングで2回戦になってしまった。
2人でシャワーし、ケーキの残りを冷蔵庫にしまってベッドに潜り込んだら心地よい疲れですぐにでも寝ちゃいそう。
「明日、パートナーシップ宣言しに行こう」
手足をぎゅっと智に絡ませて、意識が眠りに引き摺り込まれるのに任せていると頭の上から大事なことを言われ、ぶるぶる頭を振って眠気を追い払う。
「・・・え?」
「法的な結婚は出来ないけど、ちゃんと家族として認めてもらおう」
「・・・うん!」
嬉しくてまた涙が溢れる。
僕、智といるとしょっちゅう嬉し泣きしてる気がするな。
これ以上の幸せはないっていつも思うのに、いつも更新されてくの。
翌日、役所でパートナーシップ証明書を発行してもらい、僕と智は自他共に認められる家族になった。
初めてもらった指輪のことは残念だけど、それを補って余りある幸せをもらったから。
あの指輪はお雪ちゃんに持っていてもらおう。
お雪ちゃんも幸せでありますようにと願って。
- - - - -
一旦仮終わりにしますが、この後家族旅行編が書き上がりましたら続けてアップいたします☺️
気長にお待ちくださいーm(_ _)m