妄想、BL(M×N)のお話です。BLの意味が分かる方、妄想とご理解いただける方のみお進みください。










《side  N》

みたらしは、獣医さんによると推定2歳。
元気盛りの女の子で元気になるにつれそのお転婆ぶりを発揮していった。

おもちゃは噛みすぎてすぐ壊しちゃうし、ケージから出してあげるとあちこちびょんびょん嬉しそうに飛び回って僕の布団でおしっこしちゃったり。
最近はウサギ用のハーネスも出ていて、それをつけてお散歩に連れて行くと楽しそうに蝶を追いかけ、草を食べ、いつまでも帰ろうとしない。

でも人懐っこいところもあって、勉強したりしてるとケージから出たがり、出してあげると膝の上に乗って寛いでいたりする。
そんなみたらしがとにかく可愛くて、僕のスマホのアルバムはみたらしばかりになっていた。

卒業後はバイオテクノロジーの会社に研究者として就職することが決まり、生活が充実すると共に益々潤くんのことを思い出すことはなくなっていった。

社会人になって7年が経つ頃、久しぶりに菊池から連絡が来た。

「20代最後にみんなではっちゃけよ?ってことで同窓会やるんだけど、どう?」

菊池含め仲良かった人達とは今でもたまに連絡取ってるから他の人とは別に会わなくてもいいし、大人数でわいわいするのが苦手だから欠席しようと思ったけど・・・
潤くん、来るのかな?ってことが頭を掠めた。

あれから、連絡先は残してるものの僕からはもちろん、潤くんからも連絡が来ることはなかった。

まぁ・・・そうだよね。
「友達に戻ろう」って言って別れたとして、やっぱり友達に戻るにはそれなりの時間が必要だし。

でも今なら、潤くんももしかしたら他に大事な人が出来てて、また友達として付き合えたりするかもしれない。
嫌いで別れたわけじゃないからまた縁が繋がるといいな、と思って「じゃあ出席しようかな」って答えていた。

同窓会の会場は都心のホテルの宴会場。
いつもアパートと職場の往復で、たまに相葉さんとご飯行くにしても都心から離れた人の少ない駅のそばか、うちか、相葉さんちだったから都心に出るのは久しぶり。

こんなに人が多かったんだっけ・・・。

相葉さんと一緒だからまだ気が紛れるけど、1人だったらわあわあとした喧騒が嫌になって同窓会をドタキャンして帰ってたかも。
でも潤くんはこういう賑やかなの好きだったな、なんて久しぶりに懐かしく思い出した。