昭和が、終わろうとしていた頃、

 

学生だった私が、下宿していた家に 急に行ってみたくなった。

 

JR塩屋駅の山側の出口を出て、線路沿いに左側に進む。

 

道なりに進むと右側に神社があって、

 

その神社を通り過ぎて、山の方に上って行く。

 

大きな石垣があって、立派な木製の門があった。

 

確か、この辺りだと思った場所は、洒落た集合住宅になっていた。

 

実際に 行かなくてもグーグルマップを使うと本当に行った気分になれる。

 

何だか、随分と様変わりしている。

 

ただ、高台から見える海や、神社は、そのままだった。

 

昭和は、はるか昔に終わり、その後、平成も終わってしまった。

 

令和の時代になって、もう6年目。

 

時間の流れが、早すぎる。

 

あの下宿先の広い庭には、一面の芝生と大きな組石と、池と、大きなソテツが何本か植えてあった。

 

学生時代は、決して楽しいことばかりでは、なかった。

 

そして、あの下宿に住んでいた時は、それ程、好きな住まいでもなかった。

 

なのに、何故か、今頃になって、急に色んなことを思い出す。