新緑の明日香村へ行きたくなった

ちょうど見たい展覧会もある

 

奈良県立万葉文化館

「生誕110年 佐藤太清展 ―水の心象―」

 

地元の美術館へは

半年に一度ほど行っている

企画展が目的 というよりは

全国の美術館 展覧会情報を得るためだ

ほとんどがA4サイズ1枚のチラシ

チラシに掲載されている絵や陶器に 

直感で惹かれたら 

行ってみよう チラシを持ち帰る 

百均の額縁に入れて部屋に掛けても

結構様になり インテリアとしても活用できる

 

今回見つけたのが

奈良県立万葉文化館 佐藤太清さんの展覧会チラシ

さわやかな緑の湖面の絵に魅了された

 

 

右下が そのチラシ

近鉄橿原神宮前駅 東口から「かめバス」に乗ると

「万葉文化館西口」に停車

フリー切符もあります

橿原神宮前駅東口バス停の近くには

観光案内所もあり

同じバス路線上にある飛鳥資料館や

橘寺(聖徳太子が生誕したと言われるお寺)も

お勧めいただいた

 今回は時間の関係で割愛

次回を楽しみに・・

 

 

佐藤さんは幼い頃ご両親を亡くし

幼少時代は孤独を紛らわせるため

野山を駆け回っていた

自然に触れてきた心象が

絵に表現されている

 

中間色が特徴で

「東山魁夷のブルー、奥田元宋の赤、佐藤太清のグレー」

と言われていたそうだ

 

特に印象に残った作品は

『雨中天壇』

雨の情景を描かれた作品がいくつかあり

お若い頃に描かれた絵には

雨粒がはっきりと描かれ

雨模様の絵と明確に分かる

時の流れとともに

雨粒を描かずして 雨の情景を表現されるようになる

『雨中天壇』もその一つ

絵を見る前に 作品のタイトルを見てしまったので

雨の中の天壇 としか見えなくなってしまったが

果たしてタイトルを見ていなければ

自分はどうこの絵を見たのだろうか

雨中 と分かったのだろうか・・

そして 分からなくてはいけないのだろうか・・

タイトルって 何だろう

考えてしまった

 

企画展のほかにも

万葉の歌や発掘調査結果についての展示コーナーもあり

奈良の歴史に浸かることができた

日本最古の鋳造銭とされてきた「和同開珎」より

さらに古い鋳造銭「富本銭(ふほんせん)」があることも知る

 

薄暗い部屋の中 一人掛けのいすにどっぷり座り

目をつぶれば自然の音が流れてくる 

そんなオアシス体験ができる「さやけしルーム」

もいい

 

展望ロビーや図書室は

窓からの眺めが素晴らしい

新緑を堪能できました

広くて立派な美術館だな・・と思ったら

県立だった なるほど。

 

 

 

 

文化館を後にし かめバスで

お次は「石舞台古墳」へ

当時はもっといろいろなもので覆われていたのが

争いなどでなくなり

今では石だけが残っている 

蘇我馬子のお墓では という説だが

遺骨も石棺も 争いなどで持っていかれたか

なんなのか 残っていないということ

果たして真相は・・

そこに思いを馳せるのが ロマンである

 

全部取っ払われた結果 

残った石舞台や石室内地面の側溝は

1400年前そのままのもの

石は残る。

昔の人がこんなに大きな石をどう運び

どのようにしてこの向きに組み合わせたか

想像図があった てこの原理

重みに耐える組み合わせ方

なぜできたのだ・・ 機械も何もない時代の人の知力 

尊敬する

ボランティアの方の説明も分かりやすく 

勉強になった

 

この石舞台はこれからもここに 存在し続ける

自分がいつか、死んだ後も・・

 

 

再びかめバスで 今度は飛鳥駅に行き

近鉄電車で壺阪山駅へ

周辺を散策したが

17時を過ぎていたのでお店も閉まり

ぶらっと古い町並みをさまよう程度

 

このあと電車に乗ってしまったら

あとは都会へまっしぐら

壺阪駅は人が少なく、静かで、駅の背後には森が広がる

この自然豊かな空間をもう少し味わいたく 

ホームのベンチに座り

電車を数本 見送ることにする

約1時間 佇んだ 

一人旅だからこそ、できること

 

地元を離れ 誰も知らない土地の無人駅で

風、鳥のさえずり、新緑を感じ

ただ佇むその時間

わたしにとっては至福の時間

 

 

東大寺や春日大社のある近鉄奈良エリアより

飛鳥は観光客も少ない

静かにいい旅を

することができた

tnks