特急サンダーバード日帰り旅

第3弾 今回は石川県 小松駅まで乗車

 

サンダーバード旅は 

いつもここから始まる

 

大阪駅 非日常への入口

 

 

小松駅下車 

駅ナカ 「加賀 白山そば」で

とろろそばをいただいた後 徒歩約10分

かつての小松城 城下町

古い町並みに佇む「小松市立錦窯展示館」へ

 

 

ここは三代 徳田八十吉の生家 そして 

初代~三代までが 九谷焼の上絵付に

いそしんだ陶房跡である

 

初代 八十吉 (1873-1956) は

古九谷や再興九谷(吉田屋窯)の色彩を研究し

色の再現に尽力した人

九谷焼 上絵付の分野で国の無形文化財に選ばれている

 

二代の影はなぜか薄い? ←間違っていたら、ごめんなさい

 

三代八十吉は

幼少時代から 初代の作品や仕事に触れられる環境に育ち

本物だけを見て育ったから

自然と本物とそれ以外の区別ができるようになっていた

と、館内の説明ビデオで語っていた・・気が、する

また、最初は三代を継ぐことに抵抗

半年ほど山に籠った後 継ぐ覚悟が固まった

と、館内の説明ビデオで語っていた・・気が、する

山に籠って一体どんな生活を送り、何を感じ

どうして継ぐ気になったのか

そのことに一番、興味があったりする

 

三代目を継承した八十吉が

色の生み出し方の一部しか教わらないまま

初代は亡くなってしまった 

しかしノートは何十冊と 遺されている

しかしそこに記載されているのは

解読不能の暗号ばかり

ある日 三代が仏壇の中に

十字名号「帰命盡十方無碍光如来」があることに気づき

その十文字に 1から10まで番号をふってみたところ

なんと、ノートの暗号が解けた!

といういきさつがある

そこに気づいた という三代のひらめきが

すごいではないか!

 

三代は 

オリジナリティを出すべく

初代の色使いにプラスして

新たな色、デザインを 構築する

釉薬は

焼き上がる前と後で 色が変わる

何度も試行錯誤を重ね 色のグラデーションの美しさを

鮮明に出すことに 成功している

その作品の一つが こちら

 

もはや九谷焼とは思えない

現代的なデザイン

確かに、グラデーションの美しさに

見とれた

 

 

ところで

展示館の名前にもついている

「錦窯」とは 上絵付の焼成に使う窯のこと

外窯と内窯からなり、内窯には直接火が当たらず

蒸し焼きの状態になる

館内には

初代八十吉がつくった錦窯が

修理を経ながらもそのままあり

二代、三代も使っていたそうだ

 

 

 

この日は雨

受付の年配のおじさまから

雨の中を・・とお気遣いのお出迎えを受け

私ひとりに対し 丁寧にゆっくりと

説明をしてくださった

 

実際に八十吉さんが代々仕事・生活をしていた一軒家

ということもあり

美術館というものものしい雰囲気は一切なく

静かで、平和で、穏やかな見学時間を過ごすことができた

廊下に座り、中庭の木々を眺める時間も 至福

 

もっとゆっくりしたかったが

まだ行きたいところがある

予定滞在時間をオーバーし

展示館を後にした

ちなみに現在は4代目 女性である

 

道路真ん中にある 白くて丸いものは「融雪装置」

地下水が噴出して 雪を溶かす

地下水に鉄分が含まれているため

道路が赤くなっている

展示館のおじさまに教えていただいた

関西人ゆえ知らなかったこと

勉強になりました

 

 

さて

 

錦窯展示館から徒歩10分強

小松市立博物館

ここでも、九谷焼の企画展が開催中

前回の サンダーバード旅 でも

九谷焼の世界を堪能した

忘れないうちに

もっともっと九谷焼を知りたくて

今回も九谷焼三昧の旅 である

 

博物館での展示テーマは

日本各地に生まれた九谷焼の兄弟たち

江戸時代末、九谷焼の陶工は全国に招かれ、

各地に 九谷焼の影響を受けた焼き物が

誕生している

そのなかから、兵庫県の三田焼、滋賀県の湖東焼が

が紹介されていた

 

暗かったので 写真は撮れていない

湖東焼の赤絵?の美しさは 以前何かで知り

収蔵されている 彦根城博物館 にいつか行きたいと

思っていたが、小松でも見られると分かり、

この湖東焼を見たいがため、博物館へやって来た

 

博物館での時間は 少々おし気味

広い展示室を 若干急ぎ気味で進む

こういう事態に陥らぬよう

ゆったりめに 予定を組んでいたのだが

錦窯展示館での滞在が充実していて

こうなってしまった 仕方がない

 

こんなものもあった

 

小松城の入口の門

そのもの

扉の厚み、木の細工の細かさ

圧巻なり

 

小松は

さまざまな種類の石が採れた地域

フロアを変えれば 石に関する展示がたくさん

石のこと なんにも知らない

新たな知識を得られたところだが

時間の都合上、残念ながら、今回は割愛

 

ちなみに

今や 世界に名を馳せる企業「コマツ」の前身は

当時 小松でさかんだった 鉱業用機械を作っていた

小松鉄工所だとか

企業名コマツは 地名だったんだ

 

さあ、

小松を去ろう。

 

小松駅から 在来線で

加賀温泉駅へ

すでに 何度も訪れている駅

ただいま とさえ言いたくなる

 

駅前から 路線バスに乗り

「山代温泉」で下車

 

 

山代温泉 古総湯

つい2週間前 入ったところ

湯舟オンリーのシンプルさ

 

 

おとなりの総湯 売店で

温玉アイスをいただく

 

バニラアイスに濃厚温玉、みたらしだんごのたれに似た

甘いソースがかかり

これがとてもおいしかった

 

 

一息入れた後

総湯・古総湯から徒歩2分

魯山人寓居跡 いろは草庵」へ

 

 

古総湯や総湯から わずか2分

風情ある通りを進むと

ここに着きます

 

魯山人が32歳の頃

滞在していた住居が残されていて

中を見学できる

 

魯山人が使っていたといわれる机

 

2階建ての住宅

展示室や茶室など いくつか部屋があるが

いちばん好きな場所は

ここ

 

 

お茶とお菓子を出していただけて

これが ほんと おいしい

 

香ばしい加賀棒茶とお菓子

お茶碗は 魯山人が

陶磁器制作の手ほどきを受けた

九谷焼の窯元「須田菁華」のもの

(いろは草庵から近い場所にあります)

 お茶碗を持ち上げ、しげしげと眺めていると

「お若いのに・・」と言っていただいた

そ、そ、そんなに若くないんですが・・

実年齢を白状すると、「お若いです」とのお返事

そうだ。まだ若いのだ!

 

 

バス停「山代温泉」に戻る途中

その「須田菁華」に立ち寄ってみる

あのお茶碗が 欲しくなったからだ

 

この看板は

魯山人が彫ったもの

訪れるたび 雪や風で味わいが変わっていく自らの作品を

感慨深く眺めていたとか

 

現在は4代目

おそらく奥様と思われる方と

少しお話させていただいた

かつて魯山人の本を読んでいたとき

文面から 傍若無人ぶりな人間性が見えてきた

それで、ちょっといやになった記憶がある

このことをお話すると

敵は多くても 自分の考えを貫いた姿勢はすごいと思う

とおっしゃっていた

それだけ自信があった ということなのだろう

先日放送 BSフジ 松下奈緒さんの旅番組でも

お客へのもてなしを果たすための傍若無人ぶりだった

との話が出ていた

そう思えば、少し納得できる

著書『料理王国』を読んでみたくなった

 

赤いお茶碗のお値段も判明

予算の都合上

手に取り、しっかり愛でて 

よしとしました

 

その代わり と言っちゃぁなんですが

2枚上の写真 お茶碗がのって出てきたお盆

買ってしまいました

 

前回の旅 大聖寺の九谷焼美術館で買った

お茶碗とともに

 

いろは草庵のオリジナル 山中塗の雅筋盆

山代温泉から少し奥に 山中温泉があり

その地域では 山中漆器がつくられています

黒漆の上から 赤い漆を塗り

時間の経過とともに 下の黒漆が見えてきて

その変化を味わう「根来塗」という技法

魯山人は

木地がダイナミックに現れる この山中漆器を好み

星岡茶寮でも 使っていたそうです

私も

自分の部屋で

このお盆とお茶碗で あたたかいお茶いただけば

いろは草庵や大聖寺での 穏やかな時間、感動を思い出し

再び豊かな気持ちが よみがえりますように

 

さあ、帰ろう

 

バスで加賀温泉駅に戻り

福井駅へ

 

また、西武福井店へ寄る

どれだけ好きやねん

 

前回売り切れていた 蘭麝酒の720mlバージョン

一本義クラシックは お得な900ml 紙パックバージョン

お目当てはこの2つ

どちらもお酒だ・・

 

 

そしてやはり、また

駅前ハピリン1階 あみだそば福の井にて

とろろそばと しめに濃いそば湯をいただき

サンダーバードに乗って帰りました

 

なかなかいい旅をしているね

自画自賛したくなった旅でした

 

chanchan!