多肉植物は,生育が活発な時期を考慮して,春秋型,夏型,冬型に分類されています。生育型,品種が多いので,水やりは経験と勘を要し,初心者には水やりのタイミングがわかりにくく,難しい技術です。初心者でも,多肉植物(サボテン含む)の水やりを失敗しない方法を紹介します。ベテランの方にも省力的で,役に立つな方法だと思います。

★各生育型の特徴

①春秋型

   10~25℃が生育適温です。穏やかな気候を好みますが,中にはセンペルビウムのように極寒の北海道でも過ごせる品目もあります。ただし,高温多湿は苦手です。夏と冬は,生育を休止します。

   アロエ属,エケベリア属,ガステリア属,グラプトペタルム属,コチレドン属,セダム属,センペルビウム属,ハオルチア属,パキフィツム属はほとんど春秋型です。

②夏型

 20~30℃が生育適温です。真夏の強い日差しや高温下でも大丈夫です。冬は生育を休止するので,水やりは控えます。

 アガベ属,カランコエ属はほとんどが夏型です。ちなみにサボテンは,属名ではなくサボテン科を言い表していますが,ほとんどが夏型です。

③冬型

 5~20℃が生育適温です。冬型だからと言って,極端な寒さに耐えられると勘違いしてはいけません。高温多湿には弱く,夏は生育を休止するので,水やりは控えます。

アオエニウム属(黒法師,サンバースト,夕映えなど),コノフィツム属,リトープス属はほとんど冬型です。

       玄関(東側)        

 

   直径40㌢,スタンド仕立ての鉢

  

★私の水やり方法

 長雨やかん水による過湿は病気や根腐れの原因になるので注意します。リトープス,センペルビウム,ハオルチアなどは,特に高温期は,かん水は控え目にやります。また,他の多肉植物も,生育を休止する時期は,水やりは控え目とします。

 それでは,具体的にはどのような間隔で,どれぐらい水やりをすればよいのか栽培初心者には中々難しいと思われます。購入した品目がどの生育型に属するのかわからないものも多く,さらに難しくなります。

 実際鉢や植物の大きさ,用土や時期,天候などによって土の乾き具合は異なるので,一律に何日置きに水をやればよいかは言えないのが実情です。一般的には,鉢栽培では土の乾き具合を見て,鉢土表面の湿り気がなくなったら,鉢底から水が流れ出るくらい十分にやります。

 これまでの経験から,多くの多肉植物の水やりは案外単純な方法でよいということがわかりました。生育型や季節にかかわらず,雨の影響を受けない場所にある鉢には,冬は二週間に一度,その他時期は一週間に一度,基本的に日曜日に水やりをしています。

   直径40㌢,スタンド仕立ての鉢

 というのは,多肉植物の鉢土は排水がよいものを使っているので,水やりしても一週間もしないうちに乾いてしまいます。また,多肉植物は乾燥に強いので,鉢土が乾いたからと言ってすぐに水やりをしなければならない訳でもないからです。ちなみに,私はコスト削減のため,庭土(シラス土壌が主体)を用土に使っています。

    4号鉢:一時的に室内で鑑賞

      玄関(東側)

 このように,曜日を決めておけば水やりを忘れることがありません。多肉栽培の失敗事例の多くは,高温時や低温時における水のやり過ぎ,過湿による根腐れが最も多いと思われますが,乾燥に強いのでしばらく水をやらなくてもよいため,いつ水をやったか忘れてしまい,過乾燥が原因で株枯れを起こしてしまうことです。

 この栽培方法でうまくいかない場合は,水のやり方,栽培環境(特に最高,最低温度),用土などを再検討します。