森の中の小さな家に 小さな犬を連れた一人の女が
住むことになりました。
その女の友人たちは 「そんなところ行っちゃダメよ」
「森の中の一軒家なんて 不自由だし寂しいわよ」
「きっと退屈するに決まってるから 行かないほうがいいわよ」
彼女は人々の言葉におかまいなく森へ出かけました。
森へ住み始めたある日のこと
一羽の黒いカラスが庭にやってきました。
毎日 毎日 やってきました。
友人たちや森のはずれの人たちにカラスがやってくることを話すと
みんな 決まりきったように こう言うのです。
「カラスだって! あれは頭がいいからイタズラをするし
ひどいのになると 飛び降りてきて身体を突くから気をつけたほうがいいよ」
「小さな犬たちを食べちゃうから気をつけてね」
「カラスかーイタズラされるぞ~」
けれども 彼女の庭にやってくるカラスはイタズラはしませんでした。
ある日 彼女はカラスに「クック」という名前をつけました。
「クック~」と呼びかけて クックのとまっている電柱の下に
ちぎったパンを置いてみました。
クックは右に左に首をかしげながら 下を見ていましたが
彼女が家の中に入ると サーッと飛び降りて パンをくわえると
10メートルほど離れた大きな木の枝に飛んでいきました。
彼女は家の中から クックの行動を見て嬉しくなりました。
森の中に住むようになって 初めての友達が出来たからです。
クックは毎朝 早くからやってきて 日中はどこかに出かけ
夕方 またやってきては帰っていくのでした。
クックの毎日の日課に 彼女は森の中の生活がとても楽しくなりました。
そのうち クックの好きな食べ物もわかるようになりました。
クックは何でも食べましたが とりわけ 肉食系が好みなのでした。
そのうちにクックは 彼女が出かけるときには どこからともなくやってきて
見送り 戻ってくる時には どこからともなくお迎えにやってくるのでした。
もう そのころになると彼女のすぐ近くに降りてくるようになりました。
夏になると彼女は庭に畑を作り スイカやトウモロコシを育てました。
すると また 人々は教えてくれました。
「カラスにやられるから気をつけて!」と
でも 彼女の庭の野菜やスイカは安全でスクスクと育ちました。
夏も終わりに近づいたある日のことでした。
その日は光の色が とても明るくてキラキラと輝いていました。
クックはいつものように電柱にとまると
まるで 深々と頭を下げて挨拶をするかのように首を前に傾けました。
それから 4~5メートル離れた庭の入り口の杉の木に飛び移ると
ギューンと胸を張って前方をまっすぐに見つめました。
近くの温泉地の秋祭りにお誘いいただいて・・・
出かけました。
この日のために 地元の皆様が育てられた里芋をふかして
さらに網焼きしたものにショウガ醤油をかけたものと
鶏肉や里芋や野菜などをお味噌汁に仕立てたもの
それに かっぽ酒・・・青々とした竹を切って器にして
日本酒をそそいだもの・・・がふるまわれました。
美味だった!
でも いちばんのメインはこれだったな~私にとっては














