ザ・ストライプスはアイルランド・キャバン発の平均年齢15歳のR'n'Bガレージ・ロック・カルテット。アイルランドのザ・レイト・レイト・ショウ(アイルランド放送協会(RTÉ)のバラエティ番組)に出演しセンセーションを巻き起こし本国で人気のスーパー・ヤング・グループだ。
ギグはロンドンの下町ショーディッチのヴェニューのインドゥストリア・イベントで、ロンドン顔見せショーケイス・ギグのため1日2セットをこなし観客は業界人が多く重いクラウドだったがストライプスは意に関せずのびのびとプレイしていた。
バンドはアイルランドのテレビ出演後アイルランド各地で数回のギグを行いマーキュリー・レコードとサインアップ。
イギリスのシンガーソングライターのジェイク・バグ(Jake Bugg)は17歳でマーキュリー・レコードと契約し翌2012年にノエル・ギャラガーとストーン・ローゼズのオープニング・アクトに抜擢されたことで注目を集め同年10月にリリースされたデビュー・アルバム「ジェイク・バグ」はUKアルバムチャート初登場1位を記録したが、ストライプスはさらに若く14歳から16歳の少年達だ。
この日のショーケース・ギグの2セット目には、かのノエル・ギャラガーが観客の中にいたようである。ジェイク・バグと同様にノエルのサポート・スロットに抜擢される日が来るのかもしれない。
このスーパー・ヤング・グループの特筆すべきことは演奏力/表現力が卓越しておりとても十代のバンドではない。これがさらに熟達したならばいったいどうなってしうまうのだろう。もはやヤードバーズ(The Yardbirds)の「物まねバンド」の域を出ており、そのパフォーマンスはリバティーンズと同様の生意気さを持ち合わせている。モッズ・スーツもレイバンもさまになっている。
わたしは彼らの限定100枚リリースの7"ヴィニールを所持しているが
"You Can't Judge A Book By It's Cover"
" I Got Love If You Want It"
"I Wish You Would"
"Leavin' Here" の4曲すべてがカバー曲だ。
"You Can't Judge A Book By It's Cover" はボ・ディドリー(Bo Diddley)のカバー。
"I Got Love If You Want It"はスリム・ハーポ (Slim Harpo)のカバー。キンクスもカバーしている。
"Leavin' Here"はモータウンの専属作曲家だったエディ・ホーランドのカバー。ザ・フーもカバーしている。
つまり彼らは現時点では60s R'n'B カバー・バンドだ。
それぞれの楽曲はブリティッシュR'n'Bになっており、それほど"ガレージ・Rock 'n' roll"に落とし込ませておらず、それでも彼らの手にかかると原曲よりも十分フレッシュでスリリングだ。アイルランド本国ではアイリッシュ・ブルース・ロッカーとキャッチ・コピーされている。
60'S MOD GROUPの元祖的ヤードバーズは「ザ・ブルー・サウンズ」という名でブリティッシュR'n'Bシーンで活動した後ヤードバーズとしてデビュー。ストライプス同様にヤードバーズの1st、2ndシングルはブルースのカバー(オマージュ)曲だった。
ストライプスもビンテージ・ミュージックの焼き直しバンドから脱皮し今後オリジナル曲をドロップする日が来るのだろうか。
その日を首を長くし待ちたい!!
彼らのデビュー曲は"You can't judge a book by its cover. 「表紙で本の中身を判断することは出来ない」"。
まあ、そういうことなのだろう。まだまだ彼らの中身(本質)が見えない。
(デビューというのはインディー・オタクの立ち位置からの意で........まだデビューしていない)。
とくとご覧あれ当日のギグの模様を。
2013年8月25日追記。
ザ・ストライプスのデビューアルバム『スナップショット』のカバー曲。
03. コースターズ/The Coasters - I'm A Hog For You Baby
- スナップショット(初回生産限定低価格盤)/ユニバーサル インターナショナル
- 01. Mystery Man
- 02. Blue Collar Jane (Album Version)
- 03. I'm A Hog For You Baby
- 04. What The People Don't See (Album Version)
- 05. She's So Fine
- 06. I Can Tell (Album Version)
- 07. Angel Eyes
- 08. Perfect Storm
- 09. You Can't Judge A Book By The Cover (Album Version)
- 10. What A Shame
- 11. Hometown Girls (Album Version)
- 12. Heart Of The City
- 13. Rollin' And Tumblin'
- 14. Monkey
- 15. Shot Down
- 16. It Ain't Right (Live At King Tuts, Glasgow/2013)
05. ボ・ディドリー/Bo Diddley - "I Can Tell"
08.ボ・ディドリー/Bo Diddley - You Can't Judge A Book By The Cover
13. ハンボーン・ウィリー・ニューバーン/Roll and Tumble Blues - Hambone Willie Newbern
14. Monkey (スクィーズ ) ドクター・フィールグッド/ Dr. Feelgood – monkey
15.ソニックス/The Sonics - Shot Down
16. リトル・ウォルター/ Little Walter - It Ain't Right