First Impression : Local Natives- Hummingbird
高評価のファースト・アルバム後のいわゆる"difficult 2nd"難しいセカンド・アルバム。
デビュー・アルバムのアフロポップに影響を受けた広大なサウンドを合理化するためにプロデューサーのアーロン・デスナーの協力を得ながらロサンゼルスのカルテットは洗練された前進を遂げています。
彼らのデビュー・アルバム「ゴリラ・マナー」から大幅に変わったのはバンドの感情的な内容です。
党派を超えて注がれたその歌詞は極限世界、死、孤独に言及し日常生活の細部に渡り俯瞰した眼、すなわち仏教でいえば「第三の眼チャクラ 一」また心理学でいえば「トランスパーソナル」の「フェア・.ウィットネス(公平な観察者)」の視座を持ち、その上で「"フェルト・センス" 何かそこに大切な手がかりがありそうだが、まだその意味はよくわからない。漠然としたあいまいな体験」とローカル・ネイティヴスは向き合っています。
ロジャースのカウンセリングがなぜ効くかといえば、たしかに二人でいるのになんだか”ひとり”しかいなような「1.5人」の体験に秘密があります。
この体験によって、ひとりで考え事をしているときの堂々巡りから自由になって、もっと存分にのびやかに”ひとり”で思いふけることができる孤独(ロンリネス)ではない充実したひとり(ソリチュード)になれる。
「トランスパーソナル」では「第三の眼」の訓練によってこれを成します。
彼らは創作によってこれを成し遂げています。
このアルバムを深く聴くことによって私たちリスナーもソリチュードの自己変容に至るかもしれません。
そんな第三の目から心をこめて歌われるバラードM10 「コロンビア」はリスナーに最大の普遍的な問を投げかけています。
" Am I loving enough? "
称賛のセカンド・アルバム
Author rating: 9/10
★★★★★★★★★
ハミングバード/ローカル・ネイティヴス