噛むことは生きること

 

深夜、吐き気を伴う腹痛で、トイレに駆け込んだ。

トイレから出て、床に横たわっていると、物音に気づいた娘が起きてきた。

娘は心配そうな表情で僕を見つめた。

「最近、ちょっと多いんじゃない」

 

実は、今年で4回目だった。

そのうちの2回は、下痢による脱水で血圧が急降下。失神を起こし、大騒ぎになった。

前回、病院で診察を受けていたので、今回の原因もある程度察しがついた。

 

娘が目をこすりながらこう言った。

「お酒を飲むな、とは言わない。パパのストレスにつながるからね。でもね、これだけは守って。食事はゆっくり。よく噛んで食べて」

 

「噛むことは生きること。よく噛んで食べなさい」

かつての僕の口癖である。

娘は幼いころから耳にタコができるぐらい食卓で聞かされていた。

 

ぐうの音も出なかった。

ブーメランとはこのことか。

 

食事の前には、高取保育園で教えてもらった「よく噛めよ」の曲を2人で歌った(2011年10月8日)

 

カレーは飲み物と思っていた。反省。