大好きだったジャズシンガー

 

会社を休んで自宅で妻の介護をしていたころ、ジャズシンガー綾戸智恵さんのコンサートが福岡市であった。主催は、当時勤めていた西日本新聞社。飲み仲間でもある親しい後輩がコンサートの担当だった。

 

妻は綾戸さんの大ファンだった。コンサートに連れて行ってあげたかったが、そのときは、がんの病状が悪化し、立つことも、しゃべることもできない状態だった。

 

綾戸さんも20代で乳がんを患った。結婚、出産、離婚、再発を経験したが、どんな苦難にもめげず、“大阪のおばちゃん”として、強く明るく生きる彼女の姿に、妻は魅了されていた。

 

日ごとに衰弱していく妻に、パワーを分けてもらえないだろうか。

僕は無理を承知で、綾戸さんのサインを後輩に頼んだ。

 

2008年7月5日、コンサートが終わった夜、後輩がCDを自宅に届けてくれた。

「ほら、千恵。綾戸さんのCDだよ。サインも書いてくれているよ。よかったなあ」

妻は、にっこりと笑って、CDをぎゅっと抱きしめた。

 

その6日後、妻は他界。

綾戸さんのCDが、最後のプレゼントになった。

 

 

妻は亡くなる9カ月前、綾戸さんのコンサートに足を運んでいた。

 

 

ひゅーひゅー 〜綾戸智恵50′ライブ〜(2007年11月7日)

 

私はまた、あの方に会いに行ってきました・・・

 

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今回も最高でした。

 

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(まいど焼きは、友人からプレゼントしてもらった物。ありがとうございました)

 

1人盛り上がってしまいました。

滅多に会えない方ですもの。

暗がりだし、誰も私だとわからないでしょ。

 

はしゃがな損、とばかりに、思いっきり

「ひゅーひゅー」言ってきました。

 

今どきひゅーひゅー言ってるのは、

わたしと、

北風小僧の寒太郎くらいです。

 

今回は、隣の若い綺麗な女の子も大泣きだったし、

鼻水をすする音があちらこちらで聞こえました。

 

特に「imagin」「What a wonderful world」。

歌っている綾戸さんの目にも、涙が見えたような気がしました。

 

この曲を歌っている綾戸さんの隣に、今イギリスに留学しているイサ君の姿が見えました。

 

感動した~。

 

綾戸さんの歌を聴くと、人のココロを揺さぶる音楽に出合えた気分を味わえます。

 

ますます、惚れました。