バービームービーの記事に挟んで、源氏物語紫の上に対する私見を述べました。

そしたらくまさんに鋭いツッコミをいただいたので、それについて書こうと思います。

 

快晴の平等院。

光源氏最愛の女性紫の上は、源氏の女性遍歴に悩まされ、自分を苦しめる明石の生んだ娘さえ中宮に育て上げ、やっと源氏と二人で穏やかなリタイアメントを迎えたと思ったのに女三宮が降嫁してきてトップの座を奪われると、気落ちして衰弱死します。

それまでは源氏の愛も、妻妾中地位も身分も一番上だったのに。幼い内親王にあっさりその座を奪われてしまいました。

それならと源氏に出家を願い出るも、最後まで許されず。自分で勝手に尼になるような浅はかさもなく。(これも紫先生の定子様に対する当てこすり。💢)

紫の上は死ぬまで全ての退路を断たれているのです。それはお気の毒だとは思いますが。

 

明石の中宮に「自分のようになってはダメ。」と言って「お母さまはお幸せではなかったのですか?」と聞かれると、紫の上は「そうね。私は幸せだったわ。」と微笑で答えます。

ちょうどお釈迦様が病に苦しんで死ぬ間際、弟子が「こんなにたくさんの人を救ってきたのに、なぜこんなに苦しまれないといけないのですか?」と問うと、「それでも人生はすばらしい。生きるに値する。」とおっしゃったように。

紫先生は、紫の上をとことん苦しめながらも、光明に満ちた最期を与えたのだと思います。…できすぎやわ!

 

源氏の因果応報はもちろんですが、紫の上も周りの誰よりも自分が上ということで平静を保ってきたのにここにきて逆の立場に立たされる、というどんでん返し。

そして肝心なのは、これを一条帝や彰子中宮が読むということ。

彰子中宮は、権家に生まれて望月の欠けたることもない人生を送って来られました。負けることも人の下に立つことも知りません。

定子様は一条帝の愛に満ちた家族として短い一生を終えました。それに対して紫先生は、彰子様に「中宮とは。人の上に立つとは。下々の心を知ることとは。」という教育を施したのでした。源氏物語を通して。

私は彰子様は一条帝にとって定子様の身代わりになることはできなかったけど、公人中宮としてはこの上なく立派な方だったと思っています。

 

…だから好きかと言うと、それはまた別問題!

私が好きなのは不動の定子様、そして(清)少納言ちゃんなんです!源氏物語とちゃうけど!

だって源氏物語の女君って、自分の意志とか行動とかないじゃないですか。言いなりで~、流されて~、仕方なく~、無理やり~(以下延々続く。)?

対して定子様はちゃんと人生に立ち向かったと思ってます。少納言ちゃんはもっとでしょ?

やっぱりこのお二人が最高!!負け組?そんなんどーでも関係ないし!!枕草子で全部挽回してるし!

衣引き担ぎて泣きたまふ、なんていやあ~。もらい泣きなんて全然しないわ。

源氏物語のしおり買いました。