僕には立派な名前があるんだ
大好きな お兄ちゃんが つけてくれた カッチョいい名前

僕は小さい頃、このお家に来たんだ。
もう10年も前なんだ。
カッコいいパパ 優しいママ そして いつも遊んでくれる
大好きな お兄ちゃんが小学校1年生だったんだ。

元気いっぱいの お兄ちゃんは 
毎日 朝と夕方、お散歩に連れて行ってくれる。
公園に行く時は いつも一緒。
きゃあきゃあ言いながら一緒に走るんだよ。

玄関の横に、大きなピカピカの 僕の お家を作ってくれてね。僕は嬉しかったなぁ〜

お兄ちゃんは、
いつも 優しい声で 僕を呼んでくれて、
毎日朝ごはん 夜ごはんを 運んでくれる
綺麗なお水を つねにおいておいてくれる
冷たくて 美味しいんだよ〜

小学校に行く時は 「行ってくるね〜帰ってきたら、
すぐお散歩だよ〜待っててね!」って頭ポンポンしてくれて。僕は1人で お留守番も 淋しくなかったよ。

必ず約束通り帰ってきてくれたからね

だから パパとママが お仕事で 忙しくても
お兄ちゃんがいたからね 大丈夫だった。

大好きな大好きなお兄ちゃん
僕は、10年変わらず今も お兄ちゃんが大好きだよ。

お兄ちゃんが塾に行くようになったり、部活動をするようになったり、だんだん帰りが遅くなっても 僕はずっと待っているんだよ。


でもね
いつからかな、
お兄ちゃんが、毎朝忙しそうに、ごはんだけ ポンっと置いて行っちゃうようになったのは

いつからかな、
頭ポンポンしてくれなくなったのは

いつからからな、
お水が汚れていても 気づいてくれなくなったのは

いつからかな
お散歩が たま〜〜にで、ムスッとした お顔になったのは

でもガマンガマン。だって忙しいから しかたないよね。

僕なら大丈夫。
僕には 大好きな お兄ちゃんがつけてくれた 
カッチョいい名前があるからね。 えへへ

僕のカッチョいい名前はね、、、
あれ?
おかしいな。

僕の名前はなんだったかな・・・
思い出せないな・・・
どーして、忘れちゃったのかな・・・


お兄ちゃんなら、僕の 名前を覚えているよね。
きっと。

お兄ちゃん 覚えていてくれたら いいなぁ・・・