○あらすじ

生前、慢性的に体が重く、だるかったサラは、一生この苦しみながら生きていくのかと絶望しながら眠りについた。

すると、女神があらわれて、サラは生まれてくる世界を間違えてしまったと言われる。

サラの体に合う魔力溢れる世界に転生させてあげると言われ、サラは少女の姿になって高原の狼の目の前に転生してしまった。

 

いきなりのピンチに助けてくれたのは年若い女性冒険者ネリーだった。

ネリーは高ランク冒険者で、ぽつんと高原に建つ小屋に一人暮らしをして、魔物を間引いていたのだった。

小屋から街までは五日かかり、その間に魔物がわんさかと出没する。

サラは街に行けるよう、ネリーに魔法や生きていくすべを習うことになった。

 

人との付き合いにためらいを見せるネリーだったが、明るくタフなサラに、段々と打ち解けてくるようになった。

しかし、そんなネリーがある日突然、いなくなってしまった。

出かけ際に「五日経っても帰ってこなかったら、街へいけ」というもの。

 

そして、5日後、サラは意を決して高原を降りる決心をする。

苦労の末、やっと街についたサラは、おなじ年の少年アレンと出会う。

アレンは魔力過多のため周囲の人間に悪影響を及ぼすため、嫌われていた孤児だった。

 

アレンは10万ためてハンターギルドへの登録を目指し、サラはネリーを街で待つために、一緒に行動することにしたのだった。

 

○感想

面白かったです。

絵柄も可愛らしいですし、表情が多彩で、わかりやすい。

ちょっと人物像のバリエーションが不安ですが、見分けがつかないわけじゃないので大丈夫かと。

 

一巻は、まだ高原にいて、二巻から街で生活するのですが、二巻からが面白いです。でも、世界観を知るために一巻は読んだほうがいい。

二巻からは、登場人物がわんさか出てきます。

サラの非常識な能力とか、飯テロもちょっくら出てきます。

意地悪な薬師とか、利己的な貴族とか、親切なハンターギルドのおっさんとか強面なコック長とか出てくるのですが、やっぱり一番はアレンとの出会い。

 

アレンの育ての親である叔父が亡くなって、体質のこともあり、本当に一人で生きてきた少年なんですが、サラのことを心配して声をかけてきた優しい一面もあります。

サラは前世で魔力欠乏のために苦労していたので魔力過多の人のそばでも平気なんですね。

 

結構ハラハラ・ドキドキ笑いありと、楽しめる作品ではないかと思います。