親切して幸せになろう | 健康は みんなのもの ~皮膚科医のブログ~

健康は みんなのもの ~皮膚科医のブログ~

     一口サイズの健康情報を
        日々発信いたします
           病気で苦しむ人が
              いなくなる日まで

◆紙幣の肖像

今年、新しい紙幣が発行されるそうです。
現在の1万円札の肖像は福沢諭吉ですが、

新紙幣は渋沢栄一とのことです。
 

私が子供の頃、高額紙幣の肖像は聖徳太子でした。
聖徳太子とは、どんな人なのでしょうか。


聖徳太子は和国の教主(日本のお釈迦様)とも言われ、

仏教を信奉していた人です。


世界の三大宗教と言えば、仏教、キリスト教、イスラム教ですが、

日本人になじみが深いのが仏教です。


仏教は今から2600年前、インドのブッダ(釈迦)の説かれた教えです。
仏教はインドから中国、朝鮮半島を通って日本に伝えられました。
日本に仏教が根づいているのも、聖徳太子の貢献が大きいのではと思います。


◆ブッダの教えは「親切」

ブッダ(釈迦)は、一体何を教えられたのでしょうか。
誤解を恐れずに言えば、ブッダの教えの99%は「親切」と言えます。

「人に親切しなさい。幸福になれますよ」
これがブッダの教えです。

◆親切を科学する

親切すれば幸せになれるということは、今日、科学でも言われています。


カリフォルニア大学の心理学教授、ソニア・リュボミアスキーの研究があります。
ボランティアの参加者に、1週間に5つの親切を、6週間続けて行ってもらいました。
親切を行わなかった人々と比較したところ、

親切をした人々は幸せな気分になったことが分かりました。

約500人を4つのグループに分けて行った研究もあります。
グループ1:他人に親切をする
グループ2:世間に親切をする(例:ゴミ拾い)
グループ3:自分に親切をする(自分へのご褒美)
グループ4:親切なことは一切しない

6週間後、心理的・感情的満足度を測定すると、

グループ1と2の人々は、幸福度が高まっていました。
意外にも、グループ3では、変化がありませんでした。
「自分へのご褒美」は、本当の意味でご褒美になっていないのかもしれません。

科学研究で行われた親切とは、下記のようなものでした。
・献血する
・お礼状を書く
・病気の親せきを訪ねる
・友達の宿題を手伝う
・ボランティア活動
・困っている人への寄付
・相手の意見にじっくり耳を傾ける
・パーキングメーターで他人の駐車料金を払う

心がけひとつで、私たちも親切ができそうです。
・朝、明るくあいさつをする
・スーパーのレジでニッコリお礼を言う
・道でゴミを拾う
・人の話をうなづいて聞く
・入れずに困っている車を前に入れてあげる


“論より証拠”
親切をして幸せになりましょう。

参考文献
1)デイビッド・ハミルトン:『親切は脳に効く』,サンマーク出版,2018