バレリーナは「尿もれ」しない | 健康は みんなのもの ~皮膚科医のブログ~

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◆尿もれ

おしっこのトラブルは加齢によって増えてきます。
その悩みが深いのは、人に言いにくいからでしょう。
「頭が痛い」「耳鳴りがする」「肩が痛い」などは相談しやすいですが、

「尿もれ」は誰にでも言えるものではありません。

「尿もれ」の中でも、くしゃみや咳をしたときに、

おしっこがもれることを「腹圧性尿失禁」と言います。
「腹圧性尿失禁」は圧倒的に女性に多く、

出産を期になることが多い病気です。


男性の場合、膀胱からおしっこが外に出るまで、

15~20cmの尿道を通らなければなりませんが、

女性の場合、尿道の長さはわずか3~4cmです。


この3~4cmの間に、3つの筋肉(内・外尿道括約筋、骨盤底筋)が

尿道をしめつけ、おしっこが漏れないようにしています。

出産、加齢、肥満、運動不足によって、これらの筋肉の力が弱くなると、

くしゃみをしただけで尿もれを起こすようになります。

◆バレエスクワット

尿もれを防ぐ筋トレを紹介します。
バレエスクワットと言って、

バレリーナのような格好でスクワットをする方法です。

〔やり方〕
・つま先を90度に開きます。
・お尻を後ろに突き出すようにしながら腰を落とします。
・このとき、膝がつま先の前に出ないようにします。
・ゆっくり膝を伸ばして立ち上がります。
・このとき、お尻の穴をギュッとしめつけます。

 



通常のスクワットと比べて、お尻の筋肉(大殿筋と中殿筋)が鍛えられます。
お尻の穴をしめることを意識することによって、骨盤底筋の筋トレにもなります。
尿もれの予防だけでなく、お尻の形がキュッと引き締まります。

バレリーナは、きっと尿もれしないに違いありません。

参考文献
1)横山博美 監修:『尿もれ・頻尿・残尿感を自力で治すコツが分かる本』,主婦の友インフォス,2017