こわ~い虫刺され「ブユ」 赤く腫れて しこりが残る | 健康は みんなのもの ~皮膚科医のブログ~

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◆山で刺される

夏の診療で、怖いなと感じる虫刺されが「ブユ」です。
正式名称は「ブユ」ですが、地域により「ブヨ」とか「ブト」と言われています。


ブユは主に山の渓流沿いや、高原に生息する体長2~5mmの昆虫です。
「太った蚊」というか、「やせたハエ」の風貌をしています。

 


            (参考文献より引用)

 

多くはキャンプやハイキングの際に刺されます

◆赤く腫れる

刺されるのは主にスネから足首にかけてです。
その日の夕方、もしくは翌日に、
5㎝くらい赤く腫れあがり、猛烈にかゆくなります
刺されたところに赤い点があり、血が付いている場合もあります。

ブヨの怖さはこれからです。


◆後遺症

通常の虫刺されは、長くても数日で治ります。
ブヨの場合、
かゆみが数カ月も続くことがあります。


皮膚はかくと硬くなる性質があります。
ポリポリかいているうちに1㎝くらいのしこりになります。
こうなると
何年も残ります

 


              (参考文献より引用)

 

思い出を残したかった楽しいキャンプも、後遺症が残っては台無しですね。

◆治るまでぬる

赤く腫れたら、どうすればよいのでしょうか。
かきむしるとばい菌が入ったり、しこりになったりするので避けたいです。

 

アイスノンや、冷やした缶ジュースで冷やすのが良いでしょう
ムヒパッチのような、貼るタイプの薬もいいかもしれません。

 

ブヨのように激しいかゆみを伴う場合、早めに病院(皮膚科)を受診しましょう。
完全に治るまで、2週間は薬をぬりましょう
少し良くなったところでぬるのをやめると、ぶり返すことがあります。


◆夏こそ長袖、長ズボン

ブユの場合、虫よけスプレーはほとんど効きません。
長袖、長ズボンが最も有効な予防法です。


ブヨ対策は旅行用の服を買うときから始まっています
キャンプやハイキングの夏服を買うとき、つい、半袖、半ズボンを選んでしまいます。
日焼けや虫対策には、長袖、長ズボンがおススメです。
熱中症対策に、薄い材質のものがよいでしょう。



参考文献
1)夏秋優:「虫刺症」,小児科診療 82(11): 1461-1465, 2019.