「夜ブルーライトを見ないこと」と同じくらい大切なのが「朝ブルーライトを見ること」 | 健康は みんなのもの ~皮膚科医のブログ~

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「寝つきが悪い」「朝起きられない」
そんな人、いませんか?
多くの人がそうかもしれません。


それには理由があります。
体内時計は25時間周期で回っているからです。
実際と1時間のズレがあるのです。


分かりやすくいうと、

朝6時は体内時計からすると朝5時起きるようなものなので、眠いのは当然です。
夜11時に寝ようと思っても、体内時計はまだ10時ですから、目がさえても仕方がありません。

どうすれば、この1時間のズレを是正できるのでしょうか。


◆太陽で体内時計をリセット

電波時計は、1日に1度、標準時刻を電波で受信するため、

正しい時刻を示すことができます。


人間の体内時計は25時間と言われていますが、個人によりまちまちでしょう。
それらを修正してくれるのが太陽です。
朝起きて日光を浴びることで、脳の体内時計がリセットされるのです。


起きて2時間以内に外に出て、30分以上は光を浴びましょう
室内の蛍光灯は300ルクス程度ですが、

屋外は曇っていても3000ルクス以上の明るさがあります。
朝日を浴びて、体内時計を標準時刻に合わせましょう。


◆朝はブルーライトを見よう

朝日を浴びるといっても、都道府県によって日照時間に大きな違いがあります。
気象庁によると、日照時間の短い県のほとんどは日本海側の県であり、
順に、秋田県、青森県、新潟県、北海道、山形県、岩手県、富山県、鳥取県、福井県、島根県です。

 

私が住んでいる北陸は、冬は雪に閉ざされ、1日が薄暗く、憂うつになります。
「朝日を見よ」と言われても、その「朝日」が見当たりません。
そんな場合、どうすればよいのでしょうか。


体内時計をリセットするのは、日光に含まれるブルーライトによります。
「夜はスマホやテレビはダメ」と言われるのは、ブルーライトが出ているからです。


朝はその常識が逆転します。
朝、テレビを見る、スマホをする、パソコンをするのがよい。
スマホは一番明るいモードにしてガンガン見ましょう。

夜、さんざん悪者にされていたスマホも、朝は目覚ましのヒーローです。


リビング、寝室の照明は、くつろげる「電球色」がおススメですが、

その常識も朝は逆転します。
 

「電球色」→「昼白色」→「昼光色」の順にブルーライトが多くなります。
朝は昼光色の照明をオンにしましょう。
 

午前中に浴びたブルーライトが、夜の快眠をもたらします。
良質な睡眠の準備は、朝から始まっているのです。

参考文献
宮崎総一郎:「睡眠とアンチエイジング」,『アンチエイジング医学の基礎と臨床第3版』:323-325,(株)メジカルビュー社,2015