先週末。緩和ケアと鍼灸治療をテーマとしたセミナー参加のため、国立がん研究センター中央病院に行ってきました。
中央病院は1980年代から緩和医療に鍼灸治療を取り入れており、医鍼連携には積極的です。
千葉県内には、国立がん研究センター東病院があり、当院のがん患者さんの多くが通っています。
Dr.により反応は様々ですが最近は、鍼灸への理解も進んでいる印象です。
主治医に相談のうえで抗がん剤や放射線と並行して、鍼灸治療を受ける方が増えました。
とはいえ、連携となると様々な問題が。
ざっくり云うと-
①混合診療のため病院での導入が難しい
②東洋医学のエビデンスが乏しい
③鍼灸は施術者の経験や技術により
効果の差が大きく再現性がない
④東洋医学を学ぶ機会がなく
医師側の理解がないことも多い
この4点に集約されると思います。
鍼灸って流派、施術者により診断法から道具、治療までまったく異なるものでそれが、良さでもあるのですが。
それだけにエビデンスを確立するための臨床試験が難しいのです。
同じ病気への治療でも、体質や体力が違う方に決まった同じツボ、同じ鍼の打ち方では鍼灸の力が活かせない。
まして患者さんにも施術者にも、鍼を打ったか打たないか分からないようにすることは不可能なので、ブラインドテストなんて絶対無理なわけです。
だから西洋医学とまったく同じ土俵で評価を求められると、エビデンスが弱い。となってしまう。
それでもこの数年で、鍼灸についての論文は、世界的にも飛躍的に増えているそうです。
また、科学的な解明も進んではきていますね。
(NHKはこれ好きだよね。ちょっとモヤる)
とはいえ東洋医学は概念の世界で、何千年も前からの経験の積み上げで出来上がった医学。
エビデンスのある手技しか認められない、使えない。では鍼灸本来の、良さが損なわれてしまう。
連携を考えるとき、鍼灸師の抱える大きな葛藤です。
西洋医学と東洋医学はモノサシが違うので、実は検査結果などの情報はなくても治療はできるし、マチのイチ開業鍼灸師にとって連携が必ずしも必要ではないのですが。
Dr.からの情報提供書は、安全に鍼灸を行うために参考になるので、大変ありがたいです。
私は紹介状のお返事には、身体の状態や治療方針について西洋医学的な用語だけでなく、"気血水"など東洋医学の言葉でも説明を添えています。
理解をしてもらえなくても、鍼灸師がどのような視点で病気をとらえているのか、治療を行っているのか、雰囲気だけでも知ってもらいたいので。
私に西洋医学の知識はないのと同じようにDr.に、東洋医学がないとは当然で、その点では必ずしも歩み寄る必要はないと思っています。
互いの治療を尊重しながら、それぞれの得意分野で患者さんの治療にあたっていく道を指していきたいです。
そういえば、抗がん剤治療の開始前からずっーと鍼灸を続けていた患者さん。
抗がん剤のダメージが非常に少なく、
(しかも抗がん剤が非常によく効いた)
主治医に「何をやったの?」としつこく聞かれたと笑。
「鍼灸しかやってない!」
と云ってくれたそうです。
こういう患者さんの声が響くこともあると思うからぜひ、あちこちで云いふらしてもらいたいです
病院と鍼灸師が連携して治療ができるのなら、患者さんにとって、メリットしかないと思います。
まだまだ手探りの分野ですが、よい形で医鍼連携が進みますように。
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