ー怒り狂った反人種主義者以外には

 

No one cares that Britain's new PM is not white — except angry anti-racists | Washington Examiner

 

先日の新首相の人種についての記事に関連して、

マイクロソフトのニュースで面白い記事(上のリンク)を見つけた!

アメリカのサイトの記事なので、アメリカ人に向けた内容となっている。

 

この記事によると、アメリカのテレビ番組で、マレーシア系の司会者が、

インド人はアジア系ではない!と怒ったらしい。

これはアメリカとイギリスでは言い方が違うからなんだけど、

(ちなみに、イギリスでは日本人や中国人はアジア系に入らない)

それにしても、アジア系が首相になったことで怒っているのは、

皮肉なことにアジア系や黒人との混血といった有色人種の人々のようだ。

 

記事によると、もう一人リッシー・スナク新首相に異論を唱えているのは、

やはり両親がパンジャブ出身のジャーナリストで、

移民の子孫であるリッシーがイギリスのことを the country I owe so much to 

(この国にとても感謝している)と言ったことを批判しているとのこと。

このジャーナリストは先日の女性記者とはちょっと違って、

グラマースクールに行き、ケンブリッジ大学を主席で卒業しているんだけど。

 

ほかには、東アフリカ出身のインド人は有色人種とは言えない、

なぜなら、植民地における階級制度の中にあって、黒人を見下しているから、

と言い出す人たちまでいるらしい。

 

こういう風に人種を持ち出して異論を唱えるのは左派の人々で、

右派である保守派は、人種の問題には無関心である、と著者は言っている。

 

アメリカの番組で語られたことについて書いている部分については、

植民地主義とか奴隷制とかも出てきて、そのところはちょっとわかりにくいけど、

イギリス人がアメリカのメディアに大きく影響を受けている一例は笑える。

アメリカでは警官による黒人への偏見が問題となっていて、

黒人は捕まったら、殺されないためには絶対に抵抗しない、

というのが生き残るための手段だったりするんだけど、

この記事によると、ロンドンで人種差別反対運動をする白人が、

「両手をあげている、撃たないでくれ!」と、非武装の警官に対して叫ぶという、

頓珍漢な光景が見られたりするらしい。

つまり、イギリスのメディアにとってはスナクの首相就任より

アメリカのオバマ大統領就任の方が興味がある、と。

 

で、結論として著者は、この無関心こそが左派を怒らせるのであろうとしている。

反人種差別という、彼らが関心を持つ唯一の’物差し’で

保守派が彼らを打ち負かしたという、それだけでも面白くないのに、

それを無頓着に肩をすくめてやってのかしたのが我慢ならないのだろう、と。

I suspect that it is precisely this lack of interest that most infuriates the woke. It is bad enough for conservatives to beat them on the only metric they care about. But for them to do so with an indifferent shrug must be intolerable.

 

まあ、著者は保守派として書いているので、誇張はあると思うけど、

確かに、有色人種の首相就任を差別に結び付けて問題視しているのは、

同じ有色人種であるというのは、非常に興味深い。

 

ただ、一言で有色人種による批判と言っても、イギリスでは感情的な批判で、

アメリカでは感情的プラス政治的というところにお国柄が感じられる。

多分いい点であると思うんだけど、アメリカの差し迫った社会状況とは違い、

イギリスというのは、いろいろと’ゆるい’んですね。

英語で言うと tolerant、日本語では寛容。

著者が無関心と表現しているのは、見方によっては寛容であるということで、

私はこのよさが分かるのに、随分時間がかかったんですけど。。。(汗)