英新首相についての興味深い記事があったので、チェックしてみた。

 

タイトルに、「有色人種の国民が歓迎できない」とあるけど、

まあ、テレビで見た街頭インタビューによると、

インド系の人たちは喜んでいるし、フリーペーパーなどでも、

有色人種初ということで、それを proud 「誇りに思う」という見出しが目に付く。

その中でこの記事は、敢えて「歓迎できない」としていることに注目した。

 

 

記事を読むと、筆者の祖先は同じインドというだけでなく

同じパンジャブ地方の出であるとのこと。

よくある話なんだけど、こういう記事って、どうしても嫉妬が絡むように感じる。

サッチャー女史が首相になったからと言って女性の権利が拡大したわけでもない

って、確かにその通りなんだけど、彼女のお陰でメイ女史やトラス女史など、

女性首相への道が拓けたのは事実。

そして良くも悪くも、サッチャーって、近代英国の基礎を作ったんではないかと思う。

それを継いだのが、労働党のトニー・ブレアだったという(汗)

何が言いたいかと言うと、サッチャーはその任期の長さからもわかるように、

女性とか男性とか関係なく、政治的な手腕があったということ。

 

なので、今回のリッシー・スナク氏も、別に有色人種であってもなくても、

政治的に最適な人選であればいい、というのが議員たちの考え方だったということ。

党員の(広い意味で国民の)感情論に流されないように画策したんですね。

 

もっともな反論だったのが、リッシーはイギリスで生まれたがイングリッシュではない。

それは、白人がアフリカで生まれてアフリカの国籍を持っていたとしても

決してアフリカンとは言えないのと同じ、との反対意見は説得力があった。

だから、感情的に、国民は白人を選びたいというのはもっとだと私は思う。

でも、だからこそ、彼が首相になった意味はあって、

どんな理由で首相になったとしても、スナクが有色人種を優遇しなくても、

彼が首相になったことで、後世の非白人への道が拓けたことに変わりはない。

 

日本の報道ではインド系と書かれているけど、こちらではカラードと

表現されていて、カラードの方がノンホワイトって言うより緩いのかも。

インド系だけだと、じゃあ黒人や中国人はなったことがあるのか、とかなるし。

 

それにしても彼女は、スナクが首相になって

本当に面白くないんだな、と感じられる。

政策に反対するなら、彼が有色人種であろうがなかろうが、

ただ反論すればいいだけの話。

 

「一方、多くの批評家たちの間には、“政治はさておき”、南アジア系のヒンドゥー教徒がイギリスの首相になったのは前向きなことだとして、それを重視する意見が多いようだ。」

 

として、政治が大事な時に政治を脇に置いていると批判しているんだけど、

この“政治はさておき”というのは、基本反保守党の人たちの言葉であって、

保守党のほとんどすべてを糾弾するのが仕事のような野党議員だから、

政治的には批判するという態度を保ちながらも歓迎すると言っているだけであって、

本気で政治を脇に置こうと言っているわけではない。

とにかく互いに批判したり引きずりおろそうとしたりするのが政治であるなら、

そういう立場にあるジャーナリストや政治家が基本的に支持できないのは当然。

でも、スナクに反対意見を言う立場にあってもリベラルを強調したい人々は

とりあえず有色人種歓迎を表明するのが得策だからそうしているだけだよね。

政治的には同調はできないことを明言しておかないと命取りになるわけで、

すでにそれ自体が非常に政治的だと私は思う。

なんかもう、コスモの筆者は難癖つけているだけというか、趣旨を曲げている。

読んでいてすっきりしないのは、はっきり言って他に適当な候補がいなくて、

投票がなかったことを口実に、個人的な憤懣を個人ブログならまだしも(笑)

多くの読者を持つ有名雑誌に書いているということ。

(これはもしかして私が彼女を羨ましがっているのか?ややこしい!)

 

ということで、だよねって感じで、ヤフーの記事の中には但し書きがある♪

※本記事は<コスモポリタン イギリス版>の翻訳記事です。

※本記事は、個人の感想に基づいたものです。

 

私が面白いと思ったのは、翻訳の中にはないけど、

筆者が彼の昔のニックネームを書いているところ。

‘Dishy’ Rishi ディッシー・リッシーだそうです♪

辞書によると、Dishyは<人・ものが>魅力的な;性的魅力のある

だそうで、超頷ける。

もしかして見ようによってはハンサムに見えるかも、っていうくらい、

前にも書いた、根拠のないゆるぎない自信があって(あるように見えて)、

王に謁見した際も、威風堂々というか、

ほとんどチャールズを圧倒するほどの貫禄で握手していた!

 

相当古いので知っている人は少ないかもだけど、

ロッドスチュアートの歌に、Some Guys Have All the Luck というのがあった。

幸運を一人占めするヤツがいる 痛みをぜんぶ背負うヤツがいる

幸運が舞い込むヤツもいる 何もせず文句ばかり言うヤツもいるんだ

 

ってことで、リッシーって、金も女も権力もすべて、幸運を独り占めするタイプ。

多分筆者は、自分だってコスモに書けるくらい出世しているのに、

独り占めするヤツを妬んで、文句を言うタイプかな、と。

それなら私は、幸運が舞い込むタイプ、でお願いします♪

  

でもこの記事で、TVでなぜみんながリッシーって呼ぶのかがわかった。

いや、アナウンサーは、ちゃんとリシって言う人もいるけど、

西がニッシーになるみたいに、ニックネームだったんですね。

 

今日はちょっと長くなってしまったけど、最後に原文もリンク張っておきます。

最後まできちんと読んでないけど、最初の段落の最後、

「だが、これら以外のことについては、さまざまな議論がある。」

となっているところは、The rest? Well, that’s up for debate. ってことで、

「それ以外についてはというと、いや、それは議論の余地がある」って感じ?

英英だと up for debate は not agreed upon by everybody ということなので、

「すべての人が同意しているわけではない」ってことで、

筆者はこれから異論を述べますよ、というイントロになっている。