お人形の服作りの扉がバーーン!と開いてからしばらくした
2006年7月1日、
大学の友人の結婚式に作った初めてのウェディングドレスが、No.1です。



このときは新婦さんである友人からお人形が欲しい、とリクエストを受け、
じゃあせっかくだからウェディングドレス作って着せるよ♪という流れだった・・・と思います。

お人形の写真からお気に入りを選んでもらって。
ただそのお人形はまだ発売前だったので後でお渡ししました。
乗馬服がぜひ欲しい!ということでそれもセットになっています。

じゃあこのお人形は誰だって?
気付かれましたか!?
そうです、バーバラ山本!
モデルとして会場に出張しました。

そしてドレスですが、これは作り方の本を見て生地だけ変えて作ったのです。
新婦さんのドレスと同じように作ろうという発想はまだありませんでした。
そんなこと自分ができると思っていなかった。

このとき私はまだミシンを持っていなかったので、すべて手縫いです。
道具も小学校のころに買ってもらった裁縫セットだけだったし。

おおお、今思うとすごい。
しかも なみ縫い(普通に縫っていく縫い方)ではなく、
全返し縫い(一歩進んでぴったり一歩戻る、て感じでしょうか)で縫っています。
裾の縫い目、よく見てください!
まるでミシン目のようでしょ?
でもちがうんですよー
てぬい、です。

このドレスも全部裏付きなので、ひっくり返しても縫い目は極力出ていないはずです。

それからこの頭の飾り、ボンネていうらしいのですが、
私なんとなくこのドレスにはこういうのがいいな、と思って作ったんですね。
したならば、なんと、友人が実際に選んだ髪飾りがボンネだったのです。
大学時代に言われた「野性の勘」がここでも発揮されたわけでした。
(私がなんとなく彼女の好みを察知していた、と言おうと思えば言えるけど、
そんな意識は全くなかったので、まぁ野性の勘ということで。)

出来上がったときにも友人に謝ったんですが、このボンネ、ちょっと大きいですよね。
うん、大きい、ちょっと笑ってしまいました。
ごめん。

ネックレスも作っています。後ろで外せます。
お花の形になったビーズも、こういう形のものなんじゃなくて
一粒ずつ縫い付けています。

ブーケは大阪駅前第3だったか第4だったかビルの地下にあるサンエイというお店で買ってきた造花と2ミリ幅のサテンテープです。
たぶん大阪近郊のハンドメイド好きの方はほぼご存知の、鞄を預けてから入るお店です。

脱線した。

何より一番苦労したのが、ロンググローブ、手袋なのです。
何に苦労したかっていうと、この人、左右で手の形が違うんですよー
マテルめ~~~
どこに凝っとんねん~~~

特に右手、ブーケを持たせた手なのですが、こんな形してます。


後ろの人が気になる? 
蘭、という名前です。
なんかひと癖ありそうじゃないですか?
実はこの”蘭”は、大人になってからうちに来た第1号のお人形なんですが、
私はなんでかしょっちゅう「ひと癖ある人」扱いしてます。
こうやってわざと後ろに写してしまう・・
ちなみに蘭のドレスも作ってます。
やっぱりこのファッションモデルシリーズのお人形はスタイル抜群です。
ドレスが美しい。

それはいいとして、はい、手をよく見てもらいましょう。


この右手の親指が突き出てるのがやっかいなんです。
グローブはストッキングと違って、透けない程度の生地が必要。
そして伸縮性も必要。
だけどいくら伸縮する布でも普通に作ったらこの手の幅を通らない。
少し大きめに作ったら台所のゴム手袋になってしまう。
ギリギリに作って、なんとかかんとか、必死で手を通した最後の最後で、
この右手の親指が手袋を突き破ってしまう!

手袋がいくつダメになったか・・
思い出すたび歯ぎしり。

こんな試行錯誤が詰まった、このドレスが私のお針子街道への第一歩だったのです。
本当に小さな一歩だったのですが、この一歩がなければ今の私はいないと思います。

ちなみにこの友人の結婚式では私は僭越ながらスピーチをさせていただき、
「本日は、まことに・・」のあと「ひっ!ひっ!」とむせび泣いてしまったのでした。
会場から「早!」と温かいツッコミをいただいたことを覚えています。
あと、そのスピーチ原稿を新郎新婦に渡すと当日聞き、ぎゃ!と思ったことも覚えています。
なんと新郎の名前の漢字を間違えていたのでした。
ちなみに新郎も同じ大学の、しかも同じ活動をしていた仲間です。ひどすぎる。

彼女とは大学時代、いろんな体験をして、何よりも夏休みの1ヶ月間二人で旅館に住み込みバイトをしたことが一番の思い出です。
絶対内緒にしといてほしい出来事もありましたが。
でもだいたい思い出し笑いになる記憶です。

そしてNo.2では2作目にしてお針子街道を爆進してしまうことになるのです。
No.2 チラ見せで、おやすみなさい。