通勤途中、老舗の仏壇屋さんの前を通る。風鈴の涼しげな音や打ち水効果で冷んやりしている。
扉が空いているが、中は薄暗く、お線香の煙たくない懐かしい香りがする。
ちょっとした植え込みに紫陽花が、狭苦しそうに綺麗に咲いている。
この季節は、かたつむり🐌の絵柄ののれんがかかっている。藍染・ろうけつ染で、気にってる。
でんでんむしの傘
ハルヒは、よく傘を無くす。何本買っても足りないくらい。ホント腹が立つ。
保育園の帰り道、いろんな色の紫陽花がずっと咲いている。
ゆるい泥濘にできた水溜りを勢いよくパシャパシャっと余す事なく踏んでいく。
ーー悪意でしかない行為。あぁ…洗濯物が増える。やめて！と思いながらも止めたりしない。もう諦めてる。････やっぱイラつく。笑
うずまき模様の傘をさして前を元気に歩いてる。
「なんか、かたつむりみたい。うずまきぐるぐるでね。ほら？」教えてあげると、「あ〜！ ホントだ」「でんでんむしむしかたつむり〜♪」上手に歌ってくれた。
そうか、どうせ無くすんだから季節なんかに合わせて面白い傘を持たせたら････見てるとイラつかない。てか、かわいいで溢れる事に気がついた。
「見てみて！ かたつむり！ ぐるぐる〜」うずまき模様の傘をクルッと回して振り返り、私を見上げ嬉しそうに笑った。
可愛いでしかない。
ーーその傘も数日で無くした。
この作品(話・番組・動画)はフィクションです。 実在の人物や団体などとは関係ありません。
🐌あとがき
よく、紙オムツのお尻の部分にキャラクターが描かれているじゃない？あれって、つけてる本人は見えないし、無駄にオツム代を上げてるだけだと思ってた。
でも、このおしりのキャラクターが赤ちゃんの動きにあわせて動くと見てるこっちが笑顔になる。
そんな感じのお話でした。
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