銀燈花園芸日記 -10ページ目

次へとつなぐ

先週クリナムの受粉をしました

ブルビスペルマムは安定の多産ぶり
僕が留守している間にも
なんらかの方法で花粉を受け取り
続々と種子を付けてます
植栽のブルビスペルマムが多頭株に見えるのは
自分の周囲に自分の種子を散布するからです

先週の素心花、こちらもブルビスペルマム
やはり多産です
白の因子を持つ子孫が増えるのは間違いないですね

ところで僕が最も懸念していたこと
クリナム交配種は不稔になりやすいこと
不稔ならば改良は止まってしまいます
そしたら

立夏交配種の中に結実する株を見つけました
同じ株でも不稔な花茎もあります
結実要件は雨かな?
受粉後に雨があると安心して種子を作るのかも知れません
これで次に繋げます
この中には立夏交配種に素心花を乗せたものもあります
今後の展開に期待しています
ちなみに結実した株は

先週の開きがよく花が大きい株

当たりです

我が家のヒツジグサ

去年とったヒツジグサの種子
お分けした先でも順調に発芽しているようです
そこで我が家のヒツジグサを見てみます

水中ハンギングバスケット
芽が出ていました
水中葉が三枚、思いの外順調です

種子は人にあげたか自然に返したかで
手持ちはハンギングに蒔いたのですが

なぜか芽生えが浮いています
まさかと思い親鉢を持ち上げてみると

芽生えがびっしり生えてました
抜けるものは抜き取りハンギングに移動しました

種子から茎のようなものが伸びて
途中から芽と根が出るのですね
そして茎のようなものはさらに上に伸びます
泥の深さを計り、無理のない高さで芽を作るのかも知れません
そうでもしないと泥の深さはまちまちですし
泥の下では好光種子では永遠に機会が訪れないかも知れません
泥の中から潜望鏡をあげる
そんな推理をしています

ハスの発生と似ています
またオレンジ色なのも意外です
花は白一色なんですが
色素を作る要素はあるようです

5株ほどの実生をベッドに移しました
実生はたくさんあるけど
全て育てるわけにも行きません
実生ベッドと親株の根元
どちらかが残って次世代になることでしょう

素心花

週末に地元です

クリナムが咲くのを心待ちにして
暗くなるのを待って見に行きます
クリナムは夜開くのです
まずはブルビスペルマムから

これは去年も咲いた花
咲き始めは色が濃くて
色が薄くなる系統

そして今年初めて咲く株


LEDライトのせいで色が乗って見えますが
全く赤身の乗らない白の素心花
この種子の兄弟は新潟で昨年素心花が咲きました
僕のところでも咲いて嬉しいです

立夏交配種
先週とはべつのかぶが咲きました

花の色には特徴がないですが
花の開きが良いです

クリナムとしてはかなり開きの良い花
上の写真で写っているのがブルビスペルマムの横姿
それに比べて下の写真は花弁が相当開いています
これってブルビスペルマムの純系ではなかなか見られないもの
今後の育種にも欠かせない性質です
これは大事にしなければ

クリナムを育てる中で花弁の開きは外せません
そして願わくば昼間も閉じないこと
今後も耐寒性クリナムの改良を続けて行きますが
今日の花が種子を実らせ、それが花を咲かせるのは五年後
なかなか改良は進みませんね
何人もの手を経てなし得るものかもしれません


ヒツジグサ咲く

今日の飯田は北風が強く
この時期には珍しく上着が必要でした
明日は霜注意報が発令されてます

クリナムの受粉作業に外に出て見ると
ヒツジグサが咲いていました

なんとも端正な四数性
萼が四枚
外側の花弁が四枚
内側の花弁が四枚
学名のテトラゴナの名前の通りです

実生はまだ出ていないようですが
慌てずに待ちます
実生でしか増えませんから
慌てたところで手も打てないのです
その辺は洋種スイレンより強情ですね

クリナムの新花

週末飯田に帰っています
安曇野にはない穏やかな空気に
心も体もホッとしています
安曇野が悪いわけではないのですが
安曇野は空気が良くも悪くも澄んでいて
少しだけ居心地が悪いのです

夜になるのを待って今しがた写真を撮りました
開花してるのは室内からでも香りでわかります
さてクリナムを見て見ましょう

クリナム  ブルビスペルマム
寒さに強い原種です


安曇野で見る地植えクリナムもこれです
マイナス15度でも地植えなら平気みたいです
自家受粉しやすく交配が面倒です
開花した時には自分の花粉が柱頭についていることが多いです

もう15年くらい前
園芸ニュースレターのご縁で
ROKAさんからオリジナル品種
立夏の小苗をいただきました
それは一度だけ花を咲かせましたが
長野の強い冷え込みで枯らせてしまいました
その時にブルビスペルマムと交配した種子がやっと咲きました

交配種なので花にバラツキがあり
今後のバリエーションに期待が持てます

花弁のセンターのラインは薄く
花弁の全体がピンクに染まります
花はブルビスペルマムより大きく
二代前のムーレイと同程度かと思います

立夏交配種その2です

こちらは白に近い桜色
染井吉野の色に近いです
小花柄が短いので花がまとまって
暴れないのは良い性質かもしれません

長野県ではムーレイは冬を越せませんが
ブルビスペルマムの血が入る事で
屋外越冬できるクリナムが誕生しました
従来はポウエリーとブルビスペルマムしか無かった長野県のクリナム
新たな二種類が参加することになりました
種苗や豊富な知識を惜しげもなく与えてくださったROKAさんやお世話になった皆さん
感謝しています
今後もブルビスペルマムを中心に育種を続けて
寒冷地向けクリナムを広げていきたいと考えています

立夏交配種はまだいくつもあり
蕾が上がってきています
来週帰ったらまた新花を見られると思うと楽しみです