娘先輩、中学最後の公式戦、中体連県大会個人戦は三回戦で敗退。

 

それが実力、それが全て。

 

一回戦から続いた三試合、とにかく、物凄く恐ろしかったと。

 

負けたら終わり、触られたら終わり。

 

足が止まる。

 

あれほど気を付けて来た、個人戦は一本勝負、そこには乗らないと、

 

散々知っているはずの、合メンへの一瞬の機会に飛び付いてしまった。

 

「当ててはいるが、打ててはいない。」

 

試合後、I先生の総評。

 

 

「良く頑張った。」

 

コーチとして、娘として、かけることが出来た言葉はそれだけ。

 

焼き付いているのは、一本を取られた直後、開始戦に戻りながら、

 

こちらを見た眼差し。

 

 

全ての日程が終わり、全員で帰還した松岡中武道場。

 

解散式。

 

仲間や先生方に御礼を伝え、握手、笑顔。

 

乗り込んだ車の後部座席から、ようやく聞こえて来る嗚咽。

 

「また強くなろうな。」

 

 

翌日、月曜日の教室の稽古。

 

「合わせる顔がないなあ。」

 

「誰も責めたりせんよ。まあ、挨拶だけでもおいで。」

 

30分後、現れた娘は道着袴に胴垂れ、竹刀、まんま稽古姿。

 

まだ、私は終わっていない、その意思表示を全身で表すように。

 

驚いた。

 

「私には引退はないよ。」

 

 

 

「38の竹刀、来た!?よっしゃ。ありがとう!!」

 

また電車に乗り、武道学園の稽古へ、中学生稽古会に出掛けて行く。

 

長い夏休みが始まります。

 

 

 

娘先輩、中学時代の戦績(個人)。

 

第58回福井地区中学校夏季総合競技大会(※コロナのため中止) 

第58回福井県中学校夏季総合競技大会(※コロナのため中止)

 

第53回福井地区中学校秋季新人総合競技大会 1学年女子の部 第1位

(令和2年10月3日)

第15回福井県中学校秋季新人競技大会 1学年女子の部 第3位

(令和2年10月17日)

第59回福井地区中学校夏季総合競技大会 2学年女子の部 第1位

(令和3年6月25日)

第59回福井県中学校夏季総合競技大会 2学年女子の部 第1位

(令和3年7月11日)

第54回福井地区中学校秋季新人総合競技大会 全学年女子の部 第2位

(令和3年10月1日)

第16回福井県中学校秋季新人競技大会 全学年女子の部 第3位

(令和3年10月16日)

第60回福井地区中学校夏季総合競技大会 全学年女子の部 第2位

(令和4年6月24日)

第60回福井県中学校夏季総合競技大会 全学年女子の部 ベスト16

(令和4年7月10日)

 

 

 

夏、一杯走って、一杯竹刀を振って。

 

一足早く、高校剣道へ。

 

「高校でも、頑張ります。」

 

物語はこれからも、続いて行きます。

 

 

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