「勝てる!」と思った瞬間、負けたのだと思います。

 

 

団としてほとんど最高の成績を残せた春江大会。

 

その中で、そうでない選手が一人おりました。

・・・うちの娘です(笑)。

 

満を持して臨んだ女子個人戦、一回戦にて、敗退。

 

「始め!」の合図で飛び込んで、ポン!と良いメンを頂いてしまい、

 

そのまま取り返せず、一本負け。


終わりの礼で、開始線に戻った時点でガタガタと肩が震えています。

 

面の下はきっとボロボロ。

 

 

勝ちたかった理由がありました。

 

週一ですが、出稽古でお世話になって可愛がって頂いている、

 

春江少年剣道教室さん主催の大会。

少しでも上に行って、「皆さんのお蔭です!」とあいさつに行こう!と

話しておりました。

 

少剣の憧れの先輩、Mちゃんが応援に来てくれていました。

 

ツラかった時もずっと励ましてくれた先輩に、強くなった姿をどれほど見せたかったことか。

 

コートサイドには僕が座っていました。

 

前回武生、今回と、Aチーム帯同のため久しぶりに間近で応援することが出来ました。

「今日もやることは同じ!相手を良く見て行くこと。でも、勝てると思ったらどんどん行け!」

 

「分かってる(見ててよ)!」


 

これが、まずかった。

 

敗因は僕です。

 

どんな相手でも、侮るような指示を出してはいけない。

 

どの子も一生懸命やっている子で、そうでない子が試合に出て来るわけがない。

 

「今日も慎重に機会を探れ。動いて攻めて崩せたら、そこを思い切り行け!!」

 

どうしてこう伝えることが出来なかったのか。

 

 

負けたビデオを、何回も何回も、見ています。

 

一本取られた直後から試合時間の残りの2分、必死に取り返そうとありとあらゆる技を

 

繰り出し続ける娘。その数25本。

負けた瞬間があるのではなく、ただただ負けて行く。

 

これをもう二度と、繰り返させてはいけない。




一緒に出場している松岡女子選手の帯同があったものの、少しだけ場を離れさせてもらい、

 

娘が面を外すところまで付き添います。

 

通りがかりのT先生、

 

「泣いてるヒマあったら稽古せえ・・・。」

 

偶然、通りがかって下さったのではないと思いますけれど(笑)。



また来年。

 

もう一度。