その日、なぜか僕は、福井工大付属高校剣道部さんの道場におりました。
T先生に連れられて(笑)。
なぜか監督先生にもご挨拶させて頂き、なぜか行き交う部員さん達と挨拶を交わし、
T先生に連れられているのでいかにも剣道関係者っぽくはあるのですが、
単にいち少年剣道の保護者であるという(笑)。
この日は中学生が工大福井さんに出稽古に来ており、県内から二校、奈良県(!)
からも一校が来ているとのこと。よく見れば県内少年剣道で名を馳せた子たちも
ちらほら見かけます。
「おもろいですよ。まあ、見ていて下さい。」
ニヤリとT先生。
丁度試合稽古が始まっていたところで、中学生チーム同士でリーグ戦を行い、
勝ち残ったチームが高校生にチャレンジするという。おお、熱い(笑)。
空気。
靴が全部ビシッと並べて揃えられていた玄関をくぐった時からそうなのですが、
空気が凄い。張り詰めた、剣道の空気。
そして、その空気そのままに繰り広げられる真剣勝負の数々。
「ほんまは、松岡の子らにも見せてやらなあかんのですけどね。」
T先生が、普段教室で子どもたちに説いておられる剣道がそこにはありました。
ほとばしるような、気持ち、気合い、気迫の剣道。
そして、僕に特別強烈な印象を残した一人の少年、奈良県チームの小さな一年生剣士。
僕はあのような峻烈な剣道を初めて目にしました。
自分よりも何倍も大きな高校生を相手に、真っ向勝負!全身で攻め、相手を動かし、
打たせ、飛び退り、激しく打ちかかり、あ、潰された!と思った瞬間、前に転がり込み
ながら胴を打ち抜く(!)旗が上がる!
「うおおー!!」
思わず声が出てしまいました。(^-^;)
「あいつ、こないだまで小学生ですよ(笑)。」
後で教えて頂いたところによれば、昨年の奈良県小学生チャンピオン(!)。
とにかく負けん気が強く、何かの試合で相手に一本先取され逃げ切られた直後、
泣きながら面を外して相手を指差し、「あいつ勝負せえへん!!」と(笑)。
「それも勝負や!」と監督さんに叱られたそうなのですが、いいですねえ(笑)。
そのぐらいの、気持ち。素晴らしい。
娘にも見せたかった、残念。(^-^;)
その後続く高校生の試合も素晴らしく(繰り返し、空気感!)。
正味、一時間半ほどの滞在だったと思うのですが、これまでの自分の剣道観が
一気に変わってしまうような時間、体験でした。
なんだか一瞬で福井工大付属剣道部のファンになってしまい(笑)。
監督さんにも「またいつでも来て下さい!」と言って頂きましたが、今はまだ無理でも
もう少し強くなったら、娘に稽古をつけて頂きたいなあ、と本気で思いました。
あの空気を吸わせてあげたい。
T先生、貴重な時間を本当にありがとうございました。m(--)m
(後日、あの日の工大福井のテンションで自分も稽古をするんだ!とやってみましたが
一時間と保ちませんでした(笑)。orz)