岩木山は津軽国定公園エリア内に属し、特別保護地区に指定されていますが、先日(8/8)、地元紙(陸奥新報)に大きな見出しで「岩木山特別保護地区に登山道迂回路 弘前市 無届け刈り払い」そして「国許可分は整備未了 市民団体、対応疑問視」と報道していました。また夕方のTVニュースでも取り上げられて放映していました。
 
岩木山弥生登山道は八合目から九合目にかけて急斜面を横切る形で取り付いていて、途中に登山道の崩れが数箇所あり、登山者の通行に適さない状態にあって危険である事を、地元の各市民団体で構成する「岩木山環境保全協議会(会員は県、市、各市民団体)」で議論され、八合目付近から赤倉登山道に合流させる登山道を取り付ける事を了解の元で、弘前市が刈り払いを実施した様です。
弘前市が関係先に無届出で刈り払いを実施したのは、確かに違反ですが登山者の安全を優先したとの事でした。
今回の事態発生で、刈り払った登山道(当初予定の迂回路取付けコースから逸脱)は閉鎖、立入り禁止にしたそうです。
 
自然保護優先?登山者の安全優先?は、今回の事態発生に関して、善悪や良し悪しを決定するものでは無く、あまりにも大ごとになった結末を、元から見直してみようと思いました。因みに「市民団体 対応疑問視」の市民団体も岩木山環境保全協議会の一会員です。
 
8/8掲載の記事。弘前市地元紙(陸奥新報)
該当の記事をお借りして添付させていただきました
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数年前に歩いた登山軌跡図。画像の右下が弥生登山道、
右上が赤倉登山道です。両登山道は標高1,460m付近から、
概ね百数十mの幅で並んでいます
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地図上で「湿地帯」とあるのが八合目付近かと。
この付近から赤倉登山道に向けて、どの様なルートで刈り払ったのか?
自分は実地検証していないので不明。
何れにせよ県立公園特別保護地区内です
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弥生登山道八合目から九合目の間の急斜面、振り返って撮影。
この斜面を横切りながら登るコースで、一部登山道が崩壊
五合目上部付近から竹藪もあり、個人的に下りでは利用したく
ないルート。この日は津軽岩木スカイライン八合目に下りました
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弥生登山道九合目付近、山頂直下です
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個人や団体、報道関係を責める訳ではありません。
この記事を見て、自分ながらに、何かしっくりしない気がしてなりません。
 
①この迂回路は県、市、各市民団体で議論して了承されて案件である事。
②弘前市が無届で刈り払いを先行、予定コースも逸脱したのはエラー。
③取り付けた迂回路が、事態発生から閉鎖、利用禁止となった事。(環境保全地区内で当初の予定迂回路コースから外れていた)。
④国許可分の整備未了は、安全で完全に整備されるのか?一市民団体がボランティア活動で刈り払いや整備をしているとの事だが、主管箇所が責任を持って危険箇所を把握し整備を行った方がベスト。
⑤自然保護は解るが、登山者の安全優先で一部を切り開く事の理解と承認。
⑥各市民団体は協議会で議論して決められた事項を、団体内部で情報を共有して理解と現状をしっかり把握する事。また、自分たちの団体の基本的な考え方がブレないよう、統一する必要がある。
⑦万が一、ボランティアで整備中の登山道が不備の状態であれば、根本的に弥生登山道を登山口から一時閉鎖する事を考慮する必要がある。
⑧刈り払い迂回路は昨年10月下旬に、既に作業がされていた。
 
 
実は赤倉コースも26番観音像付近は登山道崩壊の恐れがあって、一部コースを変更して刈り払い、迂回路を利用しているそうです。
 
少し難しい問題の投稿になりましたが、故郷の山岩木山をこよなく愛する小生の気持ちを綴りました。