タイトルに驚かれた方もいらっしゃると思いますが、先日(1/27)開催されたセミナーのタイトルです。
岩木山を考える会主催の17年度第5回岩木山講座「岩木山の噴火について」には、約110名の参加者が集いました。
講師は弘前大学大学院理工学研究科の佐々木実先生です。
岩木山の生い立ち、噴火の歴史、火山ハザードマップ、地形、断層、噴火対策など解りやすく丁寧な説明は大盛況でした。

岩木山(1,625m)青森県の主峰で活火山

セミナー会場と講師 佐々木 実先生


岩木山最大の「鳥ノ海」火口。
約70万年前きれいな円錐形の火山として成長、次第に膨れ上がって
北東方面に岩層なだれが発生。多重の岩石や溶岩の噴出を繰り返し
約1万年以降に山頂に溶岩ドームが形成された。歴史時代に入り、
小さな水蒸気爆発が何度か発生、江戸時代の1782年には、現在の
鳥ノ海火口を中心に北東から南西域に火口列活動したとの事

種蒔苗代と大鳴沢源頭域、当時の火口や岩石流出の跡。
どちらも沢の源流域になっています


岩木山北東部の赤倉沢と地層の一部。
現在の地質や形態から過去を紐解いていくとの事。
最近の日本では13年の西之島噴火から、今年18年の草津白根山の噴火まで、
9回の火山活動があったそうで、桜島は現在も噴火継続中。
活火山とは、おおよそ過去1万年以内に噴火した火山、及び現在噴火活動が
認められる火山の事で、日本には111個存在するそうです。また今では
休火山・死火山の用語は使用されないとも話していました


岩木山九合目の鳳鳴ヒュッテにはヘルメットが常備。
青森県には岩木火山を始め、八甲田火山、十和田火山、恐火山の
4箇所が活火山に指定されています。

姶良カルデラ(鹿児島県)から飛散した火山灰が体積している
青森県の出来島海岸埋没林

岩木山では、
①1600年(慶長5年)鳥ノ海火口爆裂。
②1782年~83年に七つの火口から噴火。
③1845年(弘化2年)噴煙・噴気活動。
④1863年(文久3年)山上2箇所で噴火。
何れも草津白根山と同じ水蒸気噴火(爆発)が発生しています。
今後も火山噴火の前兆である、地震の発生・地殻変動・磁力の低下・地下水の温度変化などに留意して観測されています。
気象庁による、岩木山の4箇所の観測地点で、地震計・監視カメラ・衛星測位システム・傾斜計・空振計などが設置され観測体制がとられています。
①岩木山は約35万年前には活動を開始し、現在まで活動を続けている活火山である。
②1600年~1863年に少なくても4回の水蒸気噴火が記録されている。
③約2000年前および5~6000年前にはマグマ噴火により山頂部の溶岩ドームが形成されている。
④同様な活動は今後活性する可能性があり、それに基づいた災害予測と対応がなされている。
⑤活火山である事を常に意識しておく必要がある。
以上にまとめて、セミナーは終了しました。
今後は活火山と思われる山域に登山する場合は、これまで以上に情報収集や細心の注意を払って登るようにしたいと思います。
記事が長くなりました。ご容赦ください。
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