昨日の午後は岩木山を考える会主催のシンポジウム「岩木山の利活用と自然保護を考える」を拝聴してきました。
2部構成で、第1部は基調講演「パ-トナ-シップで守る早池峰の自然」、第2部は岩木山自然保護に関連する4つの団体によるパネルディスカッションで進められました。
弘前市立観光館前の開催案内表示板


第1部「パ-トナ-シップで守る早池峰の自然」は、早池峰フォ-ラム実行委員会会長の中嶋敬治氏による公演で、主に早池峰のトイレ問題とオ-バ-ユ-スによる自然破壊と交通渋滞について約1時間に渡り、興味深いお話を聴く事ができました。
早池峰山は固有種ハヤチネウスユキソウをはじめ、多くの貴重種が自生する山である事は周知の通りです。シ-ズンには全国各地から大勢の登山者で賑わいますが、毎年山頂のトイレから「し尿担ぎおろし」を、岩手県自然保護科や地元自然保護団体が一緒になって実施しているそうです。登山者自身のトイレ処理は自自分が始末する様に携帯トイレ利用を推奨していて、今年は山開きの6月12日から体育の日までの121日間、登山者は携帯トイレのみで処理する様に取り決めしたとも話していました。
又、オ-バ-ユ-スによる自然破壊や交通渋滞では、シャトルバスを運行させるまでの経緯を話していました。自然保護の為に、車の乗り入れを規制してシャトルバスを運行させるのは許可にならずに、交通渋滞緩和のためとしたら警察の方が動いてシャトルバス運行の開始に繋がった様です。
中嶋氏は市民運動をしたり、有形の圧力を掛けて無理矢理押し通すのでは無く、行政にやる気を起こさせることが肝心で、民間団体と一緒に所謂、パ-トナ-シップで守る早池峰の自然に繋がったと結んでいました。
観光館2F研修室内部のシンポジウムの様子


早池峰フォ-ラム実行委員会会長 中嶋敬治氏


第2部はパネルディスカッションで、コ-ディネ-タ-を中嶋氏が担当して、岩木山観光協会事務局長 小山伸吉氏は岩木山の裾に捨てられている粗大ゴミ回収行事「岩木山エコプロジェクト」について、日赤岩木山パトロ-ル隊隊員 工藤雅人氏はスキ-場のパトロ-ルをはじめ、岩木山での山岳事故の一次手当、登山道の補修に触れ、弘前勤労者山岳会会長 清野嘉樹氏は会員による清掃山行や一般募集の大衆山行の実施、そして岩木山一周ウオ-クについて、それぞれの立場から自然保護活動に関連するお話をされていました。
各団体の皆さんによるパネルディスカッション


最後に自然保護や環境問題、野生動物との共生は「全ては人間の英知にかかっている」、「自然に生かされ、自然に学び、勇気をいただく」と結んでシンポジウム「岩木山の利活用と自然保護を考える」は終了しました。 以上です。
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