岩木山を考える会主催の岩木山講座「大石、巌鬼山、鬼神社などの神社めぐり」は10月23日(日)開催されました。今回は遅くなりましたが3番目の訪問先の大石神社を転載します。
大石神社は岩木山山頂から北東33°、直線で5.2km地点に鎮座していますが
弘前市大森地区にはこの大石神社と下宮(当社の北東63°、直線で4.2km地点)そして中宮か否か定かではありませんが、下宮から西へ約800m地点にも大石神社が存在します。大森地区には標高137mの大森山があり、この山が地名の由来かも知れません。
大石神社は慶長年間(1,596年~1,615年)に創建されたと伝えられており、社伝によれば、十腰内の巌鬼山神社が岩木山神社に遷座した後、大石信仰が高まり、慶長17年、越中守信牧公が赤倉山御祈願所として大石明神を勧請した事に始まると言われています。
江戸時代の紀行家、菅江真澄も寛政10年(1,798年)6月2日に大石神社を訪れており、その紀行文「外浜奇勝」に当時の様子が記されています。
【六月二日 早朝くもっていたが、赤倉が岳にのぼろうと出立した。右にうどもり山、左に猫森、あるいは、かむぐらもり、雄槻山などふりかえり見ながら、ひやこ川をわたった。野中に松が群立ったところは、大石明神という。神前に大きな伏した岩や立った岩のある間に、石割松、いしわり杉が生えていた。その大杉の下枝に紙がびっしりと結びつけてある。これは乳の乏しい女が祈願したのであり、また、恋の願いをかけ、愛しあう夫婦の仲がいつまでも変わらぬようにと、杉の下枝に紙をむすび、その験を得るためであるという。】
境内には拝殿、本殿、ご神体である大石、神木(珍木)の五本杉、そして多くの石駒(石製の馬)、岩木山の湧水が、更には本殿の裏を流れる大石川を眺める淵には龍神様も祀られ、巨石と龍神の信仰が相俟って訪れる方々のミステリ-スポット、パワ-スポットになっています。
雨乞い、小授け、安産、お乳の乏しい母親の悩み、恋愛成就にも御利益があると伝えられていますが、残念ながら普段は拝殿にシャッタ-が下ろされ内部の拝見はできません。
津軽のミステリ-スポットPart1・2は下記をクリックしてご覧下さい。
神社前の大鳥居。右の道路は赤倉神社に向かう。


大石神社拝殿。普段はシャッタ-が降りていて内部は拝観できない


拝殿裏には本殿と御神体の大石が鎮座する


本殿の真裏。大石御神体が2個あり、赤倉神社との境界線との説も


大石神社の神木(珍木)五本杉


岩木山の湧水?ポリタンクで汲んでいく方もいる


境内には石の馬が多く祀られ、当時近くに草刈場があったという説も


大石川は大石神社下宮に向かって流れ、その先で岩木川に合流する


大石神社下宮の鳥居


下宮の拝殿の様子


下宮から西へ進むと、ここにも大石神社が鎮座


津軽地方には多くの神社仏閣が存在し、個々のル-ツを紐解くと興味深い事柄が発見されるかも知れませんね。 以上です。
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