高知城前から、路面電車に乗りました。
西へ西へと進み、終点の「いの」まで行きます。
さっき乗ったのは新しい2両編成でしたが、今度は1両だけのレトロ車両でした。
つい「市電」と言ってしまいそうになりますが、高知市営ではなく、とさでん。
東の南国市から、高知を通って、いの市までを結んでいます。
高知県内を走る唯一の「電車」であり、唯一の複線だそうです。
なぜかトムとジェリーの装飾。
しばらく高知の市街地を走り、市内を流れる鏡川を渡りました。
この橋を過ぎると、線路は単線になりました。
また、停車場も一段高くなった「ホーム」ではなく、単に、道路の一部がペイントしてあるだけになりました。
こんな狭い道路を路面電車が走ってるんだ!と驚くような道でした。
ところどころ、複線になって行き違いをします。
もう少し進むと、専用軌道も出てきました。
でも頻繁に、細い通路と交差しています。踏切は、なし。
高知市街を過ぎても、お客さんの乗り降りは頻繁にあります。
これだけ乗ってくれれば、都市の交通機関として、十分役立ってるんじゃないかなあ~と思いました。(採算はわかりませんが。)
のんびりと40分ほど乗って、終点、伊野に到着しました。
終点では、ちゃんとホームがありました。
知らずにここへ来たら、住宅街の中にいきなり路面電車が現れてびっくりすると思う。
伊野駅からは、古くからの道をしばらく歩きました。
「紙の里・伊野町」のマンホール蓋。
今はひらがなで「いの町」と書きます。合併して表記を変えたそうです。
「いの町紙の博物館」に到着。
さっきのマンホール蓋は、この博物館のデザインですね。
中に入ると、紙の歴史の解説とか。
土佐藩の藩札。紙幣ですね。
写真右側の赤っぽい紙が藩札の素材となる紙で、「土左」という文字が透かしが入っています。
左に並んでいるのが藩札で、「銀百匁」とか、「金壹分」とか。
さっきもらった入場券、この藩札だったんだ!
もちろん、和紙の製造工程の解説もありました。
原料の楮の原木から、様々な工程を経て、紙になるのは重量にして4%。
紙漉き体験もやっていました。
売店には、様々な伊野の和紙がありました。
きれいで手触りもよくて素敵です。
でも和紙そのものは、使うあてもないんだな…と思っていたら、「和紙のクリアファイル」があったので購入。
クリアファイルとしての機能を持ちつつ、高級感があっていい感じです。
博物館を出て、JRの伊野駅へと向かいました。
これは、とさでん路面電車の「伊野駅前」電停。
こちらがJRの伊野駅。
駅前から見ると、北側は急坂。桜がちょっと咲いています。
無人駅。自販機で切符を買って、ホームに出ました。
伊野駅から、土讃線でさらに西へと向かいます。
14:02、特急あしずり5号。
2両編成で、1両目の半分だけが指定席となっています。
新しい車両で快適な気動車。
伊野は、仁淀川沿いの町。
伊野駅を出るとすぐ、仁淀川を渡ります。
すでに、田んぼには水が湛えられていました。
菜の花が咲き、山には桜も。春霞。
気持ちよ~く揺られながら、ウトウトします…
山あいの田園風景の中を走りながら南下して、海に出ました。
須崎の港。
須崎の先、安和駅のあたり。
再び山に入り、窪川に到着。JR土讃線はここまで。
窪川から先は、JRは予土線と名前を変えます。
また、窪川から「土佐くろしお鉄道」が分岐します。
乗っている特急列車はそのまま、土佐くろしお鉄道に入りました。
窪川を出るとしばらく、線路は四万十川と並行しています。
始めて見る四万十川。
(四万十川はこの先、線路からは離れて山の中を延々と蛇行して、また中村で出会うことになります。)
列車の左側にもう一つ線路が見えてきました。これが予土線となって分岐しました。
土佐くろしお鉄道の区間となっても、風景は変わらず、山と田んぼの間をのんびりと走っていきます。
海に出ました。土佐佐賀駅。
「カツオ一本釣り日本一の町」とあります。
カツオのタタキでお世話になっているはずです。
海岸の町には、津波避難タワー。
ポッコリとした島は、鹿島というそうです。
海の風景。
里の風景。
中村駅に到着しました。
特急はここが終着です。
ホームの向こうには桜。
中村駅からは、土佐くろしお鉄道の普通列車に乗り換えます。
これで終点の宿毛まで行きます。
宿毛まで直通する特急もあるようです。
普通列車の中。2列シートの1両編成。快適です。
中村駅を出発するとすぐ、四万十川を渡りました。
先ほど窪川で出会ったのが中流域。ここ中村の四万十川は、海に出る直前です。
中村ー宿毛間は、山あいを通って30分ほど。
この山の中に、赤亀山延光寺という四国八十八霊場のお寺があります。
宿毛の町が見えてきました。
4時すぎ、宿毛駅。四国の端っこへ来た!!
盲腸線の最後って、旅情を感じます。
宿毛駅の外に出ました。立派な駅です。
駅からはタクシーで、今夜の宿へ。
ホテルは、宿毛の港の中に浮かぶ、大島という島にあります。
ホテルの前の道から。港のほうが見えます。
宿毛リゾート・椰子の湯。
全然気づかないで予約したのですが、ここは国民宿舎でした。
とても広々とした部屋で設備が整っていました。
入り口には、梵鐘を背負った亀さん。
宿毛に来る途中にあった、赤亀山延光寺の亀の伝説にちなんだもの。
この宿に泊まるお遍路さんも多いことでしょう。
お部屋の窓からは、小島が点々と見えます。咸陽島(かんようとう)。
雨も上がったので、お散歩に出ることにしました。
海岸の小さな公園に降りていきます。
目の前に、咸陽島。
干潮の時には渡れる、トンボロ現象がみられる島だそうです。この時は満潮。
何の筏か、海には点々と浮かんでいます。
海岸から見たホテル。
夕食まで間があるので、もう少し大島をお散歩することにしました。
山のほうへと道を戻り、「大島桜公園」というところを目指します。
でも、大島桜はまだだな~。
高台まで登ってきたので、いい眺めです。
花が咲いたらきっときれいでしょうね。
夕方宿に戻って、レストランで晩ごはん。
(夕食なしプラン。外来客も使えるレストランなので、アラカルトで注文です)
定食は何を選んでも、カツオのタタキがつきます♪
カツオのタタキは、口に入れると崩れそうに柔らかくて美味しかったです。
お風呂も広くて、ゆっくりできました。
次の日の朝ご飯も、美味しくて量も多くて(ちと食べきれなかった)、いい宿でした。